校長のひとり言ブログ|都城自動車学校

2008年07月22日

睡魔

 先日の土曜日の夕方、ゴルフ場から車を運転して帰宅中、対向車線を赤灯を点け、サイレンを鳴らしながら進行してくる消防車らしい車の姿が見えて来ました。当初、火災があったのかなと思っていましたが、その車が段々私の車の方に近づいて来たので、よく見ると、どうやら消防の工作車のようでした。その途端、私の頭の中には「工作車→正面衝突事故→車の中に閉じ込め→佐土原バイパス」という余り有難くない構図が浮かんだのです。それは工作車が出動する場合は、大きな事故が多いからです。
 案の定、私の予感が当たり、自宅に帰ってテレビニュースを見たところ、当日の午後4時ごろ、宮崎市内から延岡市内に向かっていた親子4人乗りの乗用車が、中央線を超えて対向の大型タンクローリーと正面衝突して、乗用車の若夫婦が死亡、そして生後3ヶ月の次男が重体、2歳の長男は足の骨折という大きな交通事故だったのです。ニュースでは事故の原因は調査中ということでしたが、発生場所が宮崎市佐土原町の国道10号の佐土原バイパスということを知り、「やはり居眠り運転だったのか」と直感したのです。
 それは、その場所は、ハイビスカスというゴルフ場のすぐ東側になりますが、実は、平成3年から4年にかけ、バイパスにある横断歩道橋を中心にして南北約1キロの間で交通死亡事故が多発し、8人位が死亡した所なのです。しかも事故の原因が、ほとんど「居眠り」によるものだったからです。余りにも同じ地区で「居眠り」と思われる事故が多発するので、警察、交通安全協会、佐土原町(当時は宮崎市と合併前)、建設省、地元住民などが参加しての事故防止対策協議会を開催したのです。その際、対策としていろいろ意見が出ましたが、地元住民から「バイパスとなった所は、以前墓地があったが、お祓いなしに墓を移転したと聞いている。この際、お祓いをしてはどうか」という意見が出されたのです。この意見に対し、迷信という反対意見もありましたが、ワラをもつかむ思いで、実行することにしたのです。ただし、大げさにやると、マスコミにたたかれますから、安全協会と地元住民の一部が参加してのお祓いとなったわけです。ところがどうでしょう。あれほど次から次へと発生していた「居眠り」による交通事故が、それを境にパッタリとなくなってしまったのです。今でもそのときの関係者と会うときがありますが、そのときには必ず、このお祓いが話題になります。しかしながら、未だもって事故がストップした原因がわからないところです。
 さて、このような正面衝突の原因には、速度の出し過ぎ、わき見運転などがありますが、なんと言っても主な原因は、やはり「居眠り」のようです。そこで、正面衝突が最も多い北海道の対策を調べてみたところ、眠気、つまり「睡魔」の予兆を捕まえることが大切だということでした。運転しているとき、「あくびが出る」、「視点が挟まっている」、「運転席で動きたくなる」、「まぶたが重く感じる」、「シートベルトが重く感じる」、「姿勢が悪くなる」、「気づいたら前の車との距離が近くなっていた」という症状が出たら、危険信号ですから、近くの道の駅やコンビニなどで休憩することが事故防止対策だそうです。
 当校の全職員は、このほど都城警察署長から「交通安全でんどうし」の委嘱を受けましたので、活動の際は、「睡魔」による事故を防ぐため、この眠気の予兆内容をしっかり指導して下さい。

2008年07月14日

盲導犬

 「盲導犬」は、目の不自由な人の歩行を助ける大切なパートナーとして、テレビ等で紹介されるようになりましたが、私も先日、偶然にも街角でその「盲導犬」を見ることが出来ました。
 それは、先日の朝、出勤のためJR宮崎駅まで行く途中のことでした。宮崎市内の北部にある交差点に差し掛かったところ、前方の信号機が赤に変わりましたのでしばらく待つことにしました。その交差点は、宮崎市内を南北に走る国道10号線に面していますが、私はその交差点の北東角に立ち、ぼんやりと車や人の動きを見ていたのです。そのような中で、ふと前方、つまり交差点南東角に目をやったところ、歩道上に白っぽい犬の姿が見えたのです。その犬は、腹の周りに何か着物みたいな物を身につけており、その傍には黒いメガネをかけた一見して目が不自由と思われる男性が立っていましたので、その犬が「盲導犬」であることがわかったのです。その「盲導犬」を見ているうち、一寸奇異に感じるものがありました。それは、男性と「盲導犬」は西の方を向いており、東西の信号が青なのに一向に横断歩道を渡ろうとしないからです。その交差点には、盲人用として南北の信号が青の場合はピヨ、ピヨ、東西が青の場合はカッコー、カッコーのメロディが鳴るようになっています。しかし、「盲導犬」はいわゆるお座りの状態でしたから、目の不自由な男性は、誰かと待ち合わせるためにそこに佇んでいるものと私なりに考え、再び前方の信号に目を移したのです。
 やがて、信号が変わりましたので横断歩道を渡り始め、丁度横断歩道を渡り切った所で、右側の方からけたたましいクラクションの音が聞こえてきたのです。何事だろうと思い音の方向に目をやったところ、国道の真ん中付近の横断歩道には、先ほど見た目の不自由な男性と「盲導犬」の姿があったのです。つまり、東西の信号は赤なのに、何を勘違いをしたのか横断を始めたというわけです。男の人はクラクションの音におびえたのかうろたえており、その姿を見た瞬間、私はどのように行動をとればいいのか瞬時に判断できず、そのままその様子を見ていたのです。やがて、男性と「盲導犬」は西に向かって歩き出しましたが、その間、信号に従って北進する車がその姿にびっくりし、急ブレーキをかける場面もありましたが、何とか男性と「盲導犬」は反対側の歩道にたどり着いたようで、それを見て私も、ほっと胸をなでおろしたのです。
 さて、街角で「盲導犬」に出会った場合、どのように対処したらよいのか実は私も知らなかったので、早速調べてみることにしました。それによると、犬は信号の色を判断できないので、目の不自由な人が交差点や横断歩道で判断に迷っている場合は、「赤ですよ」とか「青になりましたよ」と声をかけてやると、その一言が大きな安心につながるそうです。また、道に迷っているなと思った場合は、声をかけて目的地まで案内してやるか、それが出来ない場合は、現在地や道順を教えてやると大助かりだそうです。そのほか、手伝いの仕方としては、「何かお手伝いしましょうか」という声かけ、目的地まで案内するときの「手引きのしかた」、そして目的地に到着して別れるときは、「到着しました」という別れ方などがありますが、やってはいけないことは、「食べ物を与える」「犬に声をかけたり、口笛を吹く」「犬やハーネス(胴輪)にさわること」だそうですから、職員の皆さんも常識として知っておきましょう。

2008年07月07日

落書き

 世界遺産に登録され、観光地として有名なイタリア・フレンツエの大聖堂の壁や柱に、日本人が「落書き」した問題については、最初、岐阜女子短大生の件が報道され、それが謝罪会見で終わったと思ったら、次は京都産業大学生の件が発覚して停学処分に及び、さらに茨城県の私立高校の野球部監督解任まで飛び火して、今や格好のマスコミの話題となっているようです。
 今回の「落書き」のことの起こりは、今年の3月、イタリア旅行をした日本人の観光客が、大聖堂の壁に「岐女短」と落書きされているのを見つけ、その写真を添付してメールで岐阜県立女子短大に送りつけたことから問題が発覚したものです。学校側が調査したところ、落書きした学生6人と引率した教員2人が判明しましたが、学校からの謝罪の電話に対し、大聖堂側の関係者が、処罰や賠償の意思がないことから、短大では、関係の学生と引率の教員を厳重注意しただけで、いわばお咎めなしにしたのです。
 ところが、この「落書き」問題は、これで落着というわけにはいかず、観光客が自分のブログに大聖堂に「落書き」された写真を掲載したことから、「京都産業大学」と油性ペンで「落書き」していたことが明るみになり、京都産業大学で調査の結果、「落書き」した学生2人を14日間の停学処分にしたのです。さらに、この「落書き」問題は、同じネット上に、ハートマークに男女の名前が書かれた写真が掲載され、これを書いたのが茨城県の私立常盤大高校の野球部監督(30歳)であることがわかったというわけです。学校側が調査した結果、新婚旅行でイタリアの大聖堂を訪れた際、最上階展望台の柱に油性ペンで「落書き」したことを認めたので、即刻その監督を解任し、高野連に報告したということです。
 このように、同じ大聖堂の壁や柱に「落書き」したのに、学校側の処分は、厳重注意、停学、監督解任という三者三様になりましたが、果たしてどの処分が最も妥当なのか、国民の間でもいろいろ意見が分かれています。例えば、最初の岐阜県立女子短大の「厳重注意」処分が出た際には、こぞってマスコミは「処分が甘すぎる」と論評しましたが、これが影響したのか、次の京都産業大学の際は、「停学」という処分になりました。この処分については、マスコミも処分結果を発表しただけでしたが、常盤大高校野球部監督の解任処分では、「確かに行為そのものは悪いが、解任処分はやり過ぎでは・・」という論評もあったようです。また、この処分に対するイタリアのメディアは「停学、監督解任はやり過ぎ、イタリアではありえない」と論じていますが、イタリアでは、「落書き」が日常茶飯事に行われており、取り締まりも甘いことから、このような論評になったもので、日本とはいささか「落書き」に対する考え方が違っているようです。この処分の中では、「監督解任」という厳しい処分が出ましたが、この裏にはどうやら甲子園出場問題があったようです。というのは、この常大盤高校は、2000年に新設された高校ですが、昨年の夏の大会では準優勝し、今年の夏の大会でもシードされており、甲子園初出場の期待がかかっている状態にあったそうです。したがって、高野連から「夏の大会予選出場停止」という厳しい処分が予想されたことから、先手を打ち、「監督解任」の発表になったようで、事実、高野連もこの私立校に対しては、出場停止の処分はしませんでした。
 今回の「落書き」に対する処分については、軽重があるようですが、ここで私達がよく考えておかなければならないのは、 「落書き」という行為は、日本では刑法上「器物毀棄」という犯罪になるということです。従って、外国に旅行した際は、軽い気持ちで、ついということは絶対やめてもらいたいものです。それが日本人の常識というものではないでしょうか。

2008年06月30日

グレア現象

 指定自動車学校においては、第2段階の項目8「悪条件下の運転」の夜間運転の中で、「グレア(蒸発)現象」について教えていますが、このグレア現象とは、夜間に車を運転しているとき、自分の車のライトと対向車のライトで、道路の中央付近の歩行者や自転車の姿が見えにくくなったり、場合によっては、完全に見えない状態になることを指します。
 私がこの「グレア現象」のことを知ったのは、今から約17年位前の平成3年頃です。その当時、宮崎県内でも、夜間事故、特に歩行者が、道路を横断中にはねられる事故が多発傾向にあり、将来の交通事故防止対策として、夜間事故の防止が最大の課題になるだろうと予想されたのです。そこで、その事故分析をして見ますと、被害の歩行者の大半は、65歳以上の高齢者で、しかも横断中の事故が大部分を占めていました。また、被害者の服装も、年間を通じ、ほとんどが黒っぽいものというものでしたので、ドライバーがいち早く自転車や歩行者の姿を発見しやすいように、自転車に反射材を取り付けたり、歩行者の足元、特に靴やズボンに反射材を取り付ける啓蒙活動を展開したのです。 その中で、夜間事故の原因と見られるものとして「グレア現象」があるということを知り、早速資料を取り寄せ、宮崎市内の指定自動車学校の協力を得て、ナイトスクールを開催し、「グレア現象」はどのような状態のとき発生するかを実験してみたのです。
 ナイトスクールでは、まず、横断歩道の手前に車を止め、ライトを点灯させた状態にして、その前を歩行者が横断する実験を行ったのです。すると、歩行者がライトをつけた車の前に来ると、対向する車のライトにより、歩行者の姿の下半身はかすかに見えますが、上半身は消えてしまって全く見えないのです。次に、双方の車の間隔を約30メートルにし、対向する車のライトをつけたままの状態で、雨天時を想定してゴムホースで双方の車の間に放水すると、中央線上に立っていた人の姿が見えづらくなったのです。さらに、その状態から対向車のライトを上向き、つまりハイビームにすると、対向車のライトに幻惑され、横断歩道上の歩行者の姿が完全に見えなくなったのです。これが、いわゆる「グレア現象」ですが、この実験の結果、雨が降っている夜間、それも舗装道路で、対向車のライトがハイビームという条件がそろうと、「グレア(蒸発)現象」が発生することがわかったわけです。
 このほか、そのときのナイトスクールでは、夜間の交通事故で、何故、車側から見て右から左に道路を横断中の事故が多いのかも実験してみました。ドライバーには、あらかじめ、歩行者の姿が見えたときは、クラクションで合図をすることを決めて実験したところ、左から右に横断する歩行者の姿は、意外と早目に発見できました。しかし、右から左に横断する歩行者は、どのドライバーも、道路の中央部まで進まないと発見出来なかったのです。この原因は、保安基準により、車のヘッドライトの照射方向は、対向車のライトに幻惑されるのを防ぐため、やや左になっており、そのため、ドライバーの視線もその方向を向いているので、右側から横断する歩行者は発見できにくいということもわかりました。
 ドライバーとして、夜間事故を防ぐには、「グレア現象」は当然知っていなければならないことですから、教習中にしっかり指導していただくようお願いします。

2008年06月23日

車離れ

 先月、九州指定自動車学校協会の通常総会が行われましたが、そのときの説明によりますと、ここ数年、全国はもちろんですが、九州管内の指定自動車学校でも、入校する生徒さんの数が減ってきているということでした。例えば宮崎県内の場合、平成元年の普通教習生の入所状況は20、996人で、これを100としますと、平成19年は76まで減っているのです。宮崎県はこれでもまだ良い方で、中には半分近くまで大幅に減っている県もあるようです。その入所者数が減少したのは、少子化が最大の要因だといわれてきましたが、どうもそれだけではなさそうで、若者の「車離れ」もその一因にあるようです。
 その「車離れ」ですが、最近、国内での新車の売れ行きが振るわないということです。新車の販売といえば、毎年、東京でモーターショーが開催されていますが、その入場者数が年々減ってきているそうです。車が売れない最大の理由は、一般人の所得が伸びない点がありますが、そのほかにも要因として、少子高齢化で車を保有する人口層が減少したこと、原油価格・ガソリン価格が高騰したこと、人口が都市に集中したこと、地下鉄網の整備など公共交通機関の発展が進む都市では車に頼る必要性がなくなってきていることなどがありますが、車のメーカー側にもその一端があるということです。それは、技術向上により飛躍的に車の寿命が延びたこと、つまり、故障する車が少なくなり、それだけ新車を買う必要性がなくなったというわけです。また、2000年代に入ると、メーカー各社はもっぱら小型車などの実用車に力を入れ、「夢を与える車」をなくし、「生活の道具」ばかりに変えたのが、車が売れなくなった要因だということです。
 中でも、若者の「車離れ」が顕著に現れているそうで、ある雑誌で行われた若者を対象としたアンケートによりますと、「乗用車がほしい」という人の割合が2000年には48%だったのが、2007年には25%まで減少したということです。その大きな要因は、かって若者の高額な支出先のトップが「車の購入」だったのが、今や携帯電話やパソコン関係に奪われ、「車の購入」は第6位まで落ち込んでしまったことです。一昔前までは、誰もが学校を卒業したら実家を出て一人暮らしを始め、初任給で車を購入するのが一種のステータスだったわけですが、昨今は就職しても実家を離れず、親の脛をかじり続ける若者が多いというのが実態です。なんとも情けない話ですが、これも時代の流れですから、仕方のないことかもしれません。
 この若者の「車離れ」と指定教習所の入所者数とは、密接な関係があるようです。それは、高校卒業後、就職する人の約9割は、運転免許を取得していますが、都会に進学した人の運転免許取得率が減っているからです。以前でしたら、進学しても夏休みには帰省して運転免許を取っていましたが、昨今は夏休みになってもアルバイトのため帰省しない人が増加しているということです。しかも、交通機関の発達した都会に育った友達と接するうち、車の必要性がなくなり、運転免許を取得しないという悪循環につながっているからです。  
 そこで、これら若者の「車離れ」を食い止めるためには、メーカーに努力してもらい、若者に「夢を与える車」を開発してもらうことが喫緊の課題であり、合わせて、私達も若者に「早期の運転免許取得」を訴える必要性が出てきたようです。

2008年06月16日

ホトトギス

 私のゴルフ仲間にMさんという人がいます。Mさんは、どちらかといえばゴルフよりバードウォッチングの方が好きなようです。というのは、グリーン上で私達が次のパターはどのようにして打とうかと全神経を集中しているのに、Mさんは、近くの山から聞こえてくる鳥の声に耳を澄ませているといった具合で、「Mさん、次はあんたの番よ。」と同伴者から促されることがしばしばあるからです。
 そのMさんと5月の第4土曜日にプレーしたときのことです。私がメンバーとなっているそのゴルフ場は、宮崎市内の郊外の丘陵地にありますので、鳥の声を聞くことがしばしばあります。そのときも、前の組がプレー中だったので、ティーグランド付近で待っていますと、近くの山から「ホーホケキョ」というウグイスの鳴く声が聞こえてきました。すると、間を置かずにその近くから「キョッ、キョッ、キョ、キョ、キョ」という、けたたましい鳥の鳴き声が聞こえてきたのです。私はその鳴き声を聞いた瞬間、「ああ、ホトトギスだな」とわかりましたが、Mさんは、「ウグイスも馬鹿じゃ。」とつぶやいたのです。私達はその意味がわからずポカンとしていると、Mさんがその意味を説明してくれました。
 それは、ホトトギスは、自分で卵を孵化することはせず、ウグイスなどの巣に托卵する習性がある鳥なので、ウグイスが鳴けば、たちどころに巣のありかがわかりますから、ホトトギスはその巣に托卵することが出来るからです。しかしながら、ウグイスはそれとは知らず、縄張りを主張するため、精一杯鳴いているというわけです。Mさんの話によると、ホトトギスは、ウグイスの巣に自分の卵を産み、やがて孵化したホトトギスの雛は、同じ巣の中にあるウグイスの卵を巣から落とす習性があり、それとは知らないウグイスは、せっせと餌を巣に運び、ホトトギスの雛を育てるのだそうです。ウグイスから直接聞いたわけではありませんが、ホトトギスは、ウグイスよりはるかに大きくなりますので、育てるうちに、「おかしいな。」と思いながらも、雛が巣立ちするまで餌を運ぶのだということです。他の鳥の卵を自分の卵と思って育てるウグイスは、考えてみれば、一寸おバカさんのようですが、これも自然界の習性なのでしょう。
 さて、このホトトギスは、万葉集にも書かれているように、昔から日本では夏の季節の到来を告げる渡り鳥として知られており、通常はインドから中国南部で越冬し、5月の中旬ごろ、日本にやってくる鳥です。他の鳥より渡来時期が遅いのは、托卵の習性のため、ウグイスなどの鳥の繁殖が始まるのに合わせることと、食べるものが毛虫類であるため、早春に渡来すると餌にありつくことが出来ないためといわれています。また、ホトトギスといえば、鳴かないホトトギスについて、戦国時代の天下人はどうするかで、その性格を後世の人が言い表しており、織田信長は、「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」、豊臣秀吉は、「鳴かぬなら鳴かして見せようホトトギス」、徳川家康は、「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」と詠んだと伝えられていますが、正しくは、江戸時代後期の平戸藩主松浦清が書いた随筆「甲子夜話」の中にある川柳だそうです。
 自分で育てず、他の鳥に育てさせるホトトギスのやり方は、必ずしもフェアではありませんが、古来から日本に渡って来る鳥であり、しかも自然界の掟とあれば、いたし方のないことだと思っているところです。