トウキビ事故
宮崎駅から都城自動車学校まで電車で通っていますと、車窓から見える風景は季節と共に変化してきます。10月半ば、青井岳を過ぎ山之口駅間近かになると、田圃のあちこちにトウキビが植えられているのが見えてきます。このサトウキビは、家畜の飼料とされるものですが、そのサトウキビについて、私には二つの思い出があります。
その一つは、子供の時にサトウキビを食べた思い出です。私が育ちましたのは、終戦後の食糧難の時代でしたからいつもひもじい思いをしていました。従いまして、食べられるものは全て口にしていましたが、このサトウキビは案外甘味があってうまいものでした。サトウキビの穂が茶色になったころ、鎌でサトウキビを刈り、節の所を切って口で皮をはぎ、中身を口に入れると、ほのかに砂糖の甘い味がして、それはうまいものでした。このサトウキビは現在は飼料用として栽培されていますが、台湾サトウキビは、黒砂糖として現在も生産されています。
もう一つは、都城地方に多いトウキビ事故のことです。先日都城東高校に行く途中、高城町の桜木地区を通った時、元吉副校長が「この交差点は、以前しょっちゅう交通事故が発生していました。原因はトウキビです。余りにも事故が多いので、土地の持主がトウキビを植えなくなり、今では発生していません。」ということを教えてくれました。
それを聞いて20年前のことを思い出しました。昭和50年代の頃でしたが、都城地方では不思議と10月頃になると、郊外で出会い頭に車と車が衝突する重大事故が多発していました。原因は車の双方ともいつも通る道ですが、交通量が少ないのでつい気が緩み、しかもサトウキビが成長して見通しが悪くなっているのに、まさか自動車は来ないだろうと考え徐行せずに進行したための事故でした。
いつしかこの事故は、トウキビが成長する秋の季節に発生することから「「トウキビ事故」と呼ばれるようになりましたが、都城ならではの事故です。この事故は通い慣れた道路に安心し、サトウキビが成長して見通しが悪くなったに気付かず、安全確認を怠ったものですが、このような事故のようなことは私達の周りでもよく見られます。
先日リーダー会議が予定されていましたので、私と中澤課長は、いつもの開催場所となっている第2教室で食事をしながら参加者を待っていたのですが、一向に誰も集まる気配がありません。私はリーダー会議はいつも第2教室で行われていますので、その日のリーダー会議も当然そこで行われるだろうと思い込んでいたのです。
そのうちおかしいとお互い顔を見合わせ、調べてみたところ、会場は2階の初心者教室となっていました。完全に私の思い込み違いであることがわかり、赤恥をかいたところです。
このように、トウキビ事故も原因を調べてみれば、お互いの人達が「いつも通い慣れた道であり、しかも交通量が少なく、まさか車は通らないであろう。」と思い込んだことが結果的には交通事故につながったのではないかと思われます。このようなことがないよう思い込みを排除していつも新鮮な気持ちで運転することを心がけたいものです。




