恥じらい
数年前までは、「女性の化粧は、他人の前では行わないもの」という相場がありましたが、最近、バスや電車の中等で、他人が見ていようがいまいが、一向お構いなしに化粧に熱中している若い女性の姿を見かけることがたびたびあります。きっと朝寝坊して化粧の時間がなかったものと思われます。
その様子を観察していますと、パフで顔をたたいたり、口を横に開いて口紅をひいたり、そしてつけまつ毛を1本、1本、丁寧に伸ばし、最後は手鏡に科を作って終わりのようです。
また、電車の中では、女子高校生が携帯電話でおしゃべりする姿もたびたび見られます。それも小さな声で遠慮がちにしゃべればいいものを、甲高い声で、しかも「それがよ。」等と、まるで男の子がしゃべるような言葉で話しますので、乗り合わせた客は、聞きたくなくても耳に入り、大変迷惑を被ります。
さらに、駅の構内では、客が通る通路にスカート姿の女子高生が数人ペタンと座り、アイスクリームをなめたり、携帯電話のメール送信に夢中になっている姿を見かけることもあります。
最近こんな光景が急に増えましたが、若者はいつから恥を知らなくなったのでしょうか。かって日本人は、「礼節を重んじる民族」と言われ、「恥じらい」は日本女性のの文化であったはずなのに、どうしたのでしょうか。
このように周囲の状況に全く関心を払わず、自分が周囲からどんな目で見られているかなど考えも及ばない、恥を知らない感覚の持主というのは、一種の脳障害者だそうです。脳科学者の説明によりますと、恥を感知せず、周りが一向に気にならないのは、「一種の脳機能障害」という判定を出しています。
これは自我や社会的知性等高度な精神活動をつかさどる脳の「前頭連合野(ぜんとうれんごうや)」がダメージを受けている場合が多いそうです。脳の「前頭連合野」は、「連合領」ともいい、動物の中でも人間が最も発達していますが、記憶・判断・意思等の高度な精神活動を営むとされ、25歳頃までは成長するそうです。
ところが、脳の「前頭連合野」が幼児期の特徴を保ったまま成長すると、脳が慢性的な発達障害を起こし、恥ずかしさを知らない人間になるのだそうです。脳の「前頭連合野」が25歳頃まで成長するのであれば、このような恥ずかしさを知らない人に対しては、教育や躾を行って必要最低限度の「恥じらい」をマスターさせなければ、日本の文化は危うくなるものと心配をしています。
自動車学校に入校してくる教習生にも、ときどき「恥じらいを忘れた」行為をする若者の姿を見かけることがありますが、そのつど指導を行いましょう。
もう一度、他人に迷惑をかけることを「恥」とした日本の伝統文化への回帰を真剣に考えてみたいものです。






