校長のひとり言ブログ|都城自動車学校

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プラス・アルファー

 先日、県西地区の検定員・指導員の法定講習会が開催され、都城高等学校竹之内校長先生の「若者の心理とその指導方法」というタイトルの話がありました。
 先生は、県立高校の校長先生等を歴任して7年前に定年退職したあと、現在、都城高校の校長をされている方です。先生の話の中で、自動車学校の指導員は、運転に必要な「技能」と「知識」を教えているが、このほかプラス・アルファーとして是非、教えてもらいたいものがあるという話がありました。
 それは、先生の自宅は、都城西高校の裏側付近ですが、ここは昔、杉や松が生い茂っていた所で、その名残で、今でも近道をするための「ウサギ道」が、先生の自宅前にあるそうです。以前は人が一人通れる位の小さな道だったのが、段々人が通り、やがて自転車やバイクが通るようになり、今では道幅も広くなりましたが、それでも車がやっと1台通れる位の狭い道路だそうです。
 その道路で先生がよく見かける光景があります。それは、朝、中・高生がその道路を自転車で通行する時、反対側から自動車が来る場合があるそうです。当然道の途中で交差できませんから、中・高生は自転車を降り、人家の軒先等に身を寄せるようにして避け、自動車に道を譲るわけですが、その際、運転者の様子を見ていると、殆どのドライバーが道を譲ってくれた中・高生等に、片手を挙げて会釈するとか、クラクションを鳴らすとかの動作がなく、当然のようにして通り過ぎ去って行くのだそうです。
 その様子を見て先生は、「何故、道を譲ってくれた自転車乗りに、頭を下げて会釈する等の感謝の気持ちを表わすことが出来ないだろうか」といつも思われるということでした。そこで、自動車学校で教習する場合、教習生は運転免許を取得するというハッキリした目的を持っており、何でも吸収したいという意欲があるので、運転技能や交通法規の指導のほか、人間として当然行うべきこと、つまり挨拶等のほか、人に対する思いやり等をプラス・アルファーとしてしっかり指導して欲しいということでした。この話を聞き、さすがは教育者らしい考え方だなと感銘を受けたところでした。
 さて、その日は教習が早く終わり、学校からJR山之口駅までの約4キロを散歩がてら歩いて帰ることにしました。稲穂が実った田圃道を歩いていると、約100メートル先から軽トラックがやって来るのが見えました。田圃道は車がやっと1台通れる位の広さしかありませんので、私の方が手前の交差点で車が来るのを待つことにしたのです。そのとき、ふとこの日の先生の講話のことが頭に浮かび、私が道を譲ってくれたことに対し、運転者が果してどんな表情をするのだろうかと興味が湧きました。
 そこで、近づいて来る車の運転者を見ていたところ、高齢者の男性のようで、私の直ぐ前を通るとき、道を譲ってくれた私に頭を下げるとかの会釈をするのかなと期待しながらジッと見ていたのですが、チラッと私の方を見ただけで、会釈するどころか、全く無表情のままで、私の前を通り過ぎ去ってしまったのです。会釈を期待した私の考えが見事に裏切られたわけですが、そのとき、先生の気持ちが痛いほどわかったのはもちろんのことでした。

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2003年03月28日 10:13に投稿されたエントリーのページです。

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