校長のひとり言ブログ|都城自動車学校

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李下の冠

 「李下に冠を整(ただ)さず」という言葉がありますが、これは、中国の「文選」楽府四首の中にある「君子は未然に防ぐ、嫌疑の問に処らず。瓜田(かでん)に履(くつ)を納れず、李下に冠を整さず」から引用したもので、その意味は、スモモの木の下で冠に手をやって直したりすれば、その実を盗んでいるように見られる。全て他人に疑われるようなことは避けよという戒めの言葉です。
 最近、この戒めの言葉を改めて思い出させる出来事がありました。それは衆議院の厚生労働委員会において、帝京大学の裏口入学に関して、議員から「調査したところによると、厚生労働副大臣は選挙区内の受験者の親から頼まれ、合格発表の前に、受験生の受検番号を大学の総長に通報したということですが、その事実はありますか。」という質問に対し、答弁に立った厚生労働副大臣は、「そのようなことはありました。代議士をしていれば、このようなことはしょっちゅうあることです。」と答えてしまったのです。
 これには質問をした議員も唖然とし、答弁席に座っていた厚生労働大臣も思わず苦笑いをしたほどでした。誠に「正直」な答弁というか、いつもやっていることなので、つい「本音」が出たものと思いますが、この答弁を聞いて国民の誰もが、「合格発表の前に、受験生の受検番号を大学の総長に連絡をするということは、暗に裏口入学をお願いしたもの」という風に受け止めたに違いありません。
 案の定、この答弁は委員会でも問題となり、新聞やテレビ等のマスコミも一斉に報道しましたが、当の副大臣は、委員会終了後、記者のインタビューに対し、「受験生の父親が私の後援会の幹部で、頼まれたから秘書を通じて受検番号を連絡しただけだ。受験生の親から一切金は受け取っていない。」と答えていましたが、その模様をテレビで見ていると、少しも悪びれた様子ではありませんでした。しかしながら、一般的に考えると、「受検番号を合否の権限を持つ総長に知らせる」ということは、裏口入学を頼むことで、当然その裏には金が動く、つまり、「副大臣は受験生の親から金をもらっている」と考えるのが当然でしょう。副大臣はこの点について「天に誓ってもない」と弁明していましたが、遂には任期半ばで「辞職」をせざるを得ない結果になってしまいました。
 このように本人は気付きませんが、他人から見たら疑われるような行動をしていることがあります。私の知っている人で、若い女性と話すとき、さも親しそうに肩に手をやったり、頬を近づけんばかりにして小声で話かける癖のある人がいましたが、このような仕草は、傍から見ていても余り良い光景ではありませんでした。
 これと同じようなことが、私達の身の回りでも起こり得ます。例えば、もし指導員が女性の教習生に対し、教習終了後、肩に手をやったり、腕を握ったりして話をしたとしましょう。指導員は教習生の出来が良かったので、褒めるために親しみをこめてそうしたのだといくら弁解しても、他人から見たらセクハラに映る場合があります。
 特に我が国では、男性が妻以外の女性の身体に触れること自体、セクハラだといらぬ疑いをかけられますので、男性職員の皆さん、くれぐれも用心しましょう。

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2003年03月11日 10:13に投稿されたエントリーのページです。

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