今年の冬季オリンピックは、アメリカのソルテークシティで開催されましたが、この中で日本国民が最も注目し、金メダルが期待されましたスピードスケート男子500メートルの清水宏保選手は、惜しくも0,03秒及ばず、残念ながら銀メダルに終わり、オリンピック2回連続金メダル獲得はなりませんでした。
レースが終わったあとのインタビューによりますと、清水宏保選手は、昨年(平成13年)10月、友人の運転する車に乗っていて交通事故に合い、それが原因で腰を痛め、今季は全く振るわず、ようやくオリンピック前になってやっと34秒台を出したほど絶不調で、あまりの痛さに立っていることが出来ず、今回のレースでは、痛み止めの注射を打ってレースに出たということでした。
そんな身体にもかかわらず、弱音を吐かないで銀メダルを獲得したことは、誠に立派で、日本国民に感動を与えてくれました。こんなにも清水宏保選手を奮い立たせたのは、「世界記録保持者」と「長野オリンピックの金メダリスト」というプライドがあったからだそうですが、それにしてもオリンピックという大舞台で、「ここ一番」という大事な時に、実力を充分出し切ったと言えましよう。
これに対して、優勝候補の一番手であったカナダのウォーザ-スプーン選手のスタート直後の転倒には驚きました。ウォーザースプーン選手は、今季のワールドカップ男子500メートルでは、6戦して4勝という圧倒的な強さの持主で、常に34秒台でしたから、正直言って最終組のウォーザ-スプーン選手がスタートするまで、世界中の誰もが、彼の第一日目のトップは間違いないだろうと思っていたはずです。早朝からテレビを見ていた私もその一人でしたが、心の中でひょっとしたらという思いがありました。それは、その日の前半10組までになんと4選手が転倒していました。テレビに映し出されたウォーザースプーン選手の顔の表情が、極度に緊張しているように見えたからです。
ところが期待に反し、1回目のピストルでスタートしましたので、「これは駄目だ。」とガッカリした瞬間、インコースでスタートしたばかりのウォーザースプーン選手が前のめりになって氷上に転倒してしまったのです。テレビのアナウンサーの「ああ、なんと言うことでしょう。こんなことがあっていいのでしょうか。」という悲鳴にも似た声が聞こえ、思わず私もハッとして目の前に映し出されているテレビの画面を食い入るように見ましたが、やはり転倒は間違いありませんでした。ビデオで見ますと、スタート直後、5歩目の左足が氷を引っ掛けたため、転倒したものでした。
画面は転倒したウォーザースプーン選手があわてて立ち上がり、一瞬レースを続けようとしましたが、もはや意味がないことに気付き、速度を落としてうなだれている表情を映していましたが、とても見てはいられませんでした。やはりウォーザースプーン選手にもプレッシャーがあったのでしょうか。それにしても、4年に1回開催されるオリンピックに照準を合わせ、「ここ一番」というときに実力を発揮するのは、とても難しいことであることを痛感したところです。






