校長のひとり言ブログ|都城自動車学校

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薩摩守

 電車やバス等の乗り物に只(ただ)で乗ること、つまり無賃乗車することを、隠語では「薩摩守」と言います。これは平安時代末期の武将「平薩摩守忠度(たいらさつまのかみただのり)」の名前が「忠度」、つまり「ただのり」であったことから、「忠度」と「ただのり」をひっかけ、交通機関にただ乗りすることを「薩摩守」と表現しているのです。
 「薩摩守」については、狂言の曲名としても使われていますが、江戸時代の頃から船や駕籠等にただ乗りすることを、「薩摩守」と呼んでいたものと思われます。
 さて、この「薩摩守」を最近偶然見かける機会がありました。ある朝、自転車で宮崎駅に到着し、電車に乗るため改札口に入ろうとしたところ、丁度宮崎駅に到着した電車があり、その乗客が降りてくるところでしたので、降りる客のためしばらく改札口の外で待つことにしました。
 宮崎駅は自動改札ではなく、2名の駅員が乗降客の切符を受け取ったり、また、定期券を確認する改札をしています。その時間帯の電車は、通勤や通学の人達が多く、ラッシュ状態といったところで、これらの人達をさばく駅員の人達も結構忙しそうです。
 その降りてくる乗客達の様子を何気なく見ていたところ、改札口から5,6メートル位離れた所に、制服を着た2人連れの高校生と思われる女の子が立っているのが目に入りました。その女の子達は、電車から降りてきたのに、改札口には向かおうとせず、おまけに通学生ですから当然持っているはずのカバンを手にしていなかったので、おかしな子達だなと思ったのです。
 しばらくその子達の様子を見ていますと、2人は改札口の方をジッと見て、なにやらヒソヒソ話をしていましたが、やがて降りてくる客が一番多くなった頃、意を決したように改札口に近づいて来る様子でした。
 ところが、その女の子達の手元を見たところ、定期券や切符を持っているようではなく、全くの手ぶらでした。それを見た瞬間、この子達は「無賃乗車」をする気だなと直感したのです。2箇所の改札口では、2名の駅員が降りてくる乗客の切符を受け取ったり、差し出す定期券を確認していましたが、見ていますと、駅員の視線がお客さんの手元に集中していますので、これでは無賃乗車されても気付かないだろうと思ったのです。
 女の子達は、案の定、切符等を持っていないようで、他の客達に混じって平然と改札口を通り過ぎ、私が立っている前まで来ましたので、やはり駅員は気付かなかったかなと思った瞬間、改札をしていた駅員のうち50歳位の駅員が、「一寸待ってください。定期券を見せてください。」と女の子達を呼び止めたのです。
 さすがは駅員で、お客さんの手元ばかり見ているかと思っていましたが、改札口を通るお客さんの姿は全て目の中には入れていたのです。駅員から呼び止められた女の子達は、やはり定期券や切符は持っておらず、無賃乗車のようで、駅員から乗車区間の3倍の料金を請求されているようでした。
 いつの世でも、このような「薩摩守」は絶えないようですが、これを瞬時に見破る駅員の観察力も、職業柄とはいえさすがだなと感服したところでした。

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2003年04月16日 10:13に投稿されたエントリーのページです。

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