宮崎県の県民として、県民のマナーは、他の都道府県に比べ大変良いだろうと思っていましたが、どうしてどうして他の都道府県の人達から見れば、はなはだ悪いようです。その中でも最も目に付くのが、交差点のマナーの悪さ、とりわけ「信号無視」をする車が多いということです。
私は毎朝、自宅から宮崎駅まで自転車で通っていますが、その間の交差点で、赤信号なのに平気で「信号無視」をして交差点を駆け抜けていく車を見かける場合があります。たまたまそのとき、反対車線を車や歩行者等が通っていなかったから良かったものの、もし通行車両があれば、たちまち大きな事故が発生するに違いありません。
私が体験した交通死亡事故の中で、信号無視により発生したこんな悲惨な死亡事故がありました。それは今から約10年前のことですが、早朝5時ごろ、宮崎市内の国道10号線の交差点で、車同士が衝突するという交通事故が発生したことがありました。
重傷事故の知らせを受け、現場に駆けつけてみますと、交差点の一角にある街路樹が数本なぎ倒され、そこには2台の車が原型を見ることが出来ないほどメチャメチャに壊れ、まるで鉄くずのように転がり、付近の道路にはシート等が散乱しており、一見して重大事故だとわかりました。
既に2台の車に乗っていたと思われる2人は、救急車によって病院に運ばれており、早速応召してきた交通課員を指揮し、現場の検証と交通事故の目撃者探しを開始したのです。早朝の事故であり、目撃者の発見は難しいのではないかと危惧していましたが、現場付近の聞き込みの結果、たまたまその現場をバイクで通りかかり、交通事故を目撃した新聞配達員を見つけることが出来ました。
その目撃者の話によると、事故現場は信号機のある交差点ですが、新聞を配達しながら南側の方から北に向けて進行していたところ、前方の交差点の信号が「赤」になったので、交差点の前で停止したそうです。
ところがバイクが停止して間もなく、後方から進行してきた1台の車が停止するどころか、速度を上げてその交差点を突っ切ろうとしたのです。新聞配達員は、横を通り過ぎていく車を見やりながら、なんて無茶な運転をするのだろうと思い、何気なく右前方の交差点を見たところ、そこには右の方から「青」の信号に従って進行してくる1台の車が見えたそうです。その車は既に交差点の中央付近まで進んでおり、このままでは衝突すると思い、「アッ危ない」と叫んだそうですが間に合わず、バイクの後ろから進行してきた信号無視の車が、右側から進行してきた車の左ドア付近に衝突し、2台の車はまるでもつれ合うようにして、交差点左の街路樹に飛び込んで行ったということでした。
この事故により、「青」の信号に従って運転していた主婦は即死し、信号無視をした車の運転手は軽傷ということでしたが、信号無視の原因は飲酒で、信号機の色は何だったか良く覚えていないという有様で、被害者の家族にとっては、悔やんでも悔やみきれない事故でした。
今でも、そのときの被害者の家族の悔しそうな顔を思い出すことがあります。






