私は毎朝、JR宮崎駅まで自転車で通っていますが、駅に到着して先ず私がすることは、プラットホームで、私が乗る電車が来るまでの約10分間、JR職員の動作をつぶさに見るようにしています。
それは、JRは、今から約18年前に「日本国有鉄道」から民営化され、現在に至っているわけですが、旧国鉄時代から、こと事故防止に関しては、「指さし安全呼称」という方法が、末端の職員の一人ひとりまで徹底しており、これが伝統となって続けられているからです。
宮崎駅に到着して3番・4番のホームに上がった頃、丁度赤色をした下りの「さわやかライナー号」の車両がホームに入ってくるのが見えて来ます。その「さわやかライナー号」が4番ホームに到着すると同時に、今度は目を1番ホームに停車している「特急にちりん」の運転士に向けるようにしています。
白手袋をした運転士は、前方に見える1番線の信号機の色が「青」に変わると、右手の指を伸ばして信号機の方を指さしています。声は聞こえませんが、おそらく「前方の信号青ヨーシ」と呼称しているものと思われます。
次に運転士は、目の前の「計器」の方を指さしますと、電車のドアが閉まります。さらに、1番線の信号機の方を再び指さしますと、やがて電車は滑るようにして出発していきます。この「特急にちりん」の運転士の行動は、毎朝見ていますが、運転士は変わっても「指さし安全呼称」の動作と順序は全く変わりません。つまり指さしして安全を呼称するという「凡事徹底」がなされています。
「特急にちりん」が出発すると、今度は目を4番ホームに停車した「さわやかライナー号」の車掌の行動に向けるようにしています。それは、車掌も運転士と同じように「指さし安全呼称」をするかどうかを確かめるためです。
「さわやかライナー号」は3両編成で、車掌は1番最後の車両に乗っていますが、車掌は電車が停止するとホームに降り、乗降客の乗り降りの様子をジッと見ています。私は電車から約5メートル位離れた所からその様子を見ているわけですが、やがて3両とも乗降客がなくなると、車掌は、白手袋をした右手の人指し指を前方に差し出し、ドアが確実に閉まったのを確認すると、「ドア、ヨーシ」という安全呼称をして、電車に乗り込みますと、電車はゆっくりスタートしていくのです。
このように、毎朝「特急」の運転士と、「急行」の車掌の動作をつぶさに見ているわけですが、「特急」の運転士は、「凡事徹底」が行き届き、省略する人はありませんが、「急行」の車掌のうち、残念なことに10人に1人の割合で、「指さし安全呼称」を省略する人が見受けられるのです。
「指さし安全呼称」を省略した車掌は、いつも行っている動作であるし、まさか失敗することはないだろうと軽く考えて省略したものと思いますが、この「まさか」が大きな失敗につながりますので、車掌には決められたとおり、「指さし安全呼称」を確実に実行して欲しいと願っているところです。






