先日、韓国の地下鉄内で発生した火災事故は、その後の遺体収容作業の状況から、200名を超える死者になるのではないかと予想されていますが、こんな大惨事が隣国で発生したばかりというのに、我が国では、平成15年2月26日、時速270キロで走行する新幹線の運転士が、こともあろうに数分間とはいえ、「居眠り」するという常識では考えられないような出来事が発生しました。
テレビ等の報道によりますと、岡山市のJR山陽線岡山駅で、広島発東京行きの「ひかり128号」が所定の位置より約100メートル手前で止まり、3両ほどがホームからはみ出したままになりました。
車掌が運転席に駆けつけると、男性運転士(33歳)が腰掛けたまま眠っていたということです。JR西日本の調べに対し、この運転士は、岡山駅の約26キロ西の新倉敷駅付近から「記憶がない」と言っているそうですが、この区間は通常270キロで走行する区間であり、約8分間は、「居眠り」をしていたということになります。
さらに驚くべきことは、この運転士は、車掌から起こされてからも、引き続き運転を続けていたということですが、何をかいわんやと言うところです。
また、岡山駅の手前で停車したあと、出発する際、「駅の手前に停車してしまい、止め直す処理に手間を要した」と車内放送で陳謝しましたが、運転士が居眠りをしていたということや、岡山以降もそのまま運転を続けるということは一切伝えなかったということです。この点について、その後、JR西日本の広報室は、「放送した車掌は、運転士を起こした車掌と別で、状況を詳しく掌握していなかった。いたずらに乗客の不安をあおるまいという判断もあったと思う。居眠りを隠そうとしたわけでない。」と弁解しています。
居眠りをしていた運転士は、JR西日本の事情聴取に対し、「前日は公休で十分に睡眠を取った。何故眠くなったのか自分でもわからない。」と話しているそうですが、まだその裏付けが取れていない現在の段階では、真意のほどは定かではないようです。
このニュースを聞いて一番ビックリしたのは、おそらくその新幹線に乗車していた人達ではなかったかと思います。今回は幸い、自動列車制御装置(ATC)が作動したので、停車駅の手前で停車することが出来ましたが、他の車両との追突や衝突は充分予想されることですから、今思い出してもゾッとするような事案でした。
さて、「居眠り」といえば、今回の出来事は、私達も「対岸の火災」で済ますわけにはいかないようです。それは、自動車学校の教習においても、指導員の「居眠り」が充分予想されるからです。時にこれからの春先、ポカポカ陽気が続くわけですが、指導員も生身の人間ですから、ともするといい気持ちになり、ついウトウトするとも限りません。特に路上教習の場合、指導員が「居眠り」をしていたために、交通事故が発生したとするならば、一自動車学校の問題だけでなく、全国の指定自動車学校に大きな影響を及ぼします。従って、「教習中は絶対眠りはしないぞ。」という強い緊張感を持って教習していただくことを望みます。






