常識
「常識」とは、辞典によれば、健全な社会人なら持っているはずの(ことが要求される)ごく普通の知識・判断力ということだそうですが、最近の若者の言動を見ていますと、ときどき、「常識」がない人を見かけることがあります。
私が通勤に利用している日豊本線は、最近は随分と合理化され、駅員がいない無人駅がかなりあります。そのせいでしょうか、電車内で乗車券を持っているかどうか調べる車掌による検札が行われています。小・中学校等が夏休みに入って間もない頃、自動車学校からの帰りの電車の中で、こんな場面に遭遇しました。
電車が山之口駅から三つ目の田野駅に着くと、学校帰りの高校生が何人か乗り込み、私の隣りの席にも女子高校生が二人座ったようでした。私は本を読んでいましたが、隣りの席から、「○○ちゃん、私よ。わかる。今どこにいるの。」という大きな声が聞こえてきたので、隣りの席を見ると、二人とも携帯電話で友達と話を始めたようでした。もちろん、電車が駅を出発する時、車内放送で、「携帯電話のご使用はご遠慮ください。」とありましたが、二人ともその放送には全くお構いなしの状態です。
田野駅を出発してから間もなくして、「ただいまから乗車券の確認をさせていただきます。」という車内放送があり、やがて私達の車両に車掌が来ましたので、ポケットから定期券を取り出し、車掌に定期券を見せ、私の検札は終わりました。
読みかけていた本に再び目を通し始めた時、隣りの席から車掌と女子高校生の話す声が聞こえてきました。その声は、「この定期券は期限が切れている。」という車掌の声でした。見ると、二人のうち一人の女子高生の定期券の期限が、夏休み前の「7月19日」になっていました。
車掌は、その高校生に「期限が切れていたのに気付かなかったのね。」と聞きますと、「いえ、知っていました。」と悪びれた様子もなく、平然と答えたのです。これには車掌も驚き、「それでは、お金を持っているの。」と聞くと、「お金は130円しか持っていません。」と言って、財布を取り出し、中からお金を取り出しましたが、本人が言うとおり中身は130円のようでした。
チラッとその定期券を見たところ、乗車区間は「清武駅~田野駅」となっていましたから270円は必要なのです。車掌は、「あのね。期限が過ぎた定期券は使えないのよ。お金が足りないのに、電車に乗ったら無賃乗車になるよ。これは電車に乗る場合の常識だと思うんだけどね。」と丁寧に、まるで小さな子供に言って聞かせる口調で話し掛けていました。
ところが、その女子高生には、その意味が理解できないのか、「清武駅には駅員さんがいるので話をして、後でお金を持っていきます。」と答えたので、これには駅員もビックリしたようでしたが、再度丁寧に説明したところ、ようやく納得し、携帯電話で母親に連絡している様子でした。
その子は、特別、知能が遅れているようでもなく、ごく普通の女子高生に思えたのですが、こんな「常識」のない若者もいるのですね。それにしても、乗客の中にはいろんな人もいるので、対応する車掌さんも大変だなと思ったところでした。






