校長のひとり言ブログ|都城自動車学校

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愛のビンタ

 体重無差別で柔道の日本一を争う、平成15年の全日本柔道選手権大会は、平成15年4月29日に東京の日本武道館で開催されましたが、宮崎市出身でシドニー五輪男子100キロ級金メダリストの井上康生選手(綜合警備保障)が、史上4人目となる3連覇を達成して見事優勝しました。
 伝統ある柔道日本の長い歴史の中でも、これまで3連覇を達成した選手は、山下泰裕さん、小川直也さん、篠原信一さんのわずか3人です。しかも山下さん等3人は、いずれも100キロを超える体重の選手でありますが、100キロ級で優勝したのは、井上選手が初めてということで、このような体重のハンディがあるにもかかわらず、3連覇したことは、柔道史上に残る素晴らしい出来栄えでした。
 さて、この試合の模様は、テレビでは準々決勝からの試合が放送されておりましたが、放送早々のアナウンサーの口振りからすると、どうも井上選手の戦い振りは、あまり芳しくない模様でした。2、3回戦の試合がビデオで映し出されましたが、日頃見ている井上選手と違い、動きに全くリズム感がないのです。その戦い振りを見て、解説者が、「3連覇がかかっているので、そのプレッシャーがあるのでしょうか。井上選手らしい日頃の動きが全くありませんね。」と説明していました。
 その解説を聞き、内心不安感を持ちながら準々決勝からの試合を観戦していたのですが、それまでの戦い振りとガラリ変わり、非常に動きが良くなり、リズム感も出てきて、日頃の井上選手らしい技の切れが、随所に出るようになったのです。
 その結果、準々決勝では、体重150キロの高山選手を「大内刈り」、準決勝ではこれも巨漢の森選手を見事「背負い投げ」で1本勝ちしたのです。さらに決勝戦では、本年4月6日の体重別選手権大会で敗れたライバルの鈴木桂治選手に対し、これも試合開始3分5秒で、得意の「内股」が炸裂して1本勝ちし、見事に雪辱して王者に輝いたのです。
 解説者の説明によると、2、3回戦はほめられる内容ではなかったのに、準々決勝から決勝までの戦い振りは別人のように変わりましたので、どうしてなのかなと思っていましたが、試合後のインタビューでその謎が解けました。
 インタビューで井上選手は、「初戦から負けたらどうしようという気持ちが先行し、技が掛けられなかった。準々決勝直前、控え室で、『性根を入れ直せ。』という檄とともに、久々に父からビンタをもらいました。あれで開き直られました。」と裏話を披露していましたが、その言葉を聞き、井上選手らしい豪快な柔道に戻った理由がわかったのです。また、新聞紙上では、このときの様子について、「父明さんが鬼のような形相で、康生のビンタを張った。」と表現されていました。
 康生選手が柔道を始めた時の師匠は、お父さんの明さんですが、オリンピックで金メダルを取り、さらに、オリンピックより難しい柔道日本選手権のチャンピオンになっても、やはり、康生選手の精神的な心の「師匠」は、父明さんのようです。アテネオリンピックでも、父明さんの「愛のビンタ」が出るのが楽しみです。

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2003年05月21日 10:13に投稿されたエントリーのページです。

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