シートベルトを締めていて一命を取り止めた例は、これまで数々聞いたり、この目で見ておりますが、身近な例が私の身の回りでもありました。
それは数年前になりますが、母達がその体験をしたのです。私の実家には、今年88歳になる母がまだ健在で、実家を継いでいる私の弟達家族と一緒に暮らしています。
久方ぶりに実家に帰省したところ、弟の嫁がいつも乗っている車が違う車に変わっており、買い換えたのかと思って義妹に聞いたところ、「義兄さん、実は私が義母さんを乗せて運転中、車が転落して危うく死にそうだったのですよ。」とそのときの模様を話してくれたのです。
義妹がそのとき乗っていたのは、ボンゴ型の軽自動車だったのですが、母を乗せて運転しているうち、一瞬脇見をしたところ、車が路肩を逸脱して雑木林に転落してしまったのです。義妹は瞬間何が起こったか判らず、ハッと思って気付いた時には、義妹と助手席に乗っていた母の間に、なんと杉の木が見えたそうです。車が転落した時、路肩の直ぐ近くにあった杉の木に真正面から衝突したのですが、運が良いことに衝突した所が、丁度運転席と助手席の間だったので、崖下までの転落は免れたのです。
それと何といっても幸いだったのは、二人ともしっかりとシートベルトを締めていたからです。車は大破しましたが、二人ともかすり傷一つなかったということでした。
義妹の話によりますと、事故を起こしたときは、ボーっとしていたのでそれほど興奮しなかったそうですが、あとで事故のときのことを思い出したら、膝がガクガクして震えが止まらなかったということでした。
シートベルト着用の必要性が叫ばれてから久しくなり、また、着用が義務付けられ、さらに非着用の人には、「違反点数1点」が付加されるようになってからは、どの車のドライバーもシートベルトを着用するようになりましたが、調査結果によりますと、まだまだ完全ではないようです。
日本自動車連盟(JAF)が平成14年中、全国のシートベルト着用状況を調査したところ、全国平均の着用率が83,9パーセントだったそうです。都道府県別では、長崎県が94,6%でトップ、最低は山梨県の67,6%、そして宮崎県は90,7%で全国第9位で、全体的にシートベルトに対する運転者の意識が高くなっているようです。
しかしながら、宮崎県警察本部の交通統計を見ますと、平成14年中のシートベルト非着用による事故のうち、四輪車による交通事故で亡くなった人は39人ですが、何とそのうちの33人が着用してなく、さらに9人の方はシートベルさえしておれば、あるいは助かったのではないかということです。
シートベルト着用も、最初の頃は、いざシートベルトを締めて運転を始めると、何だか窮屈な感じがしたものですが、段々慣れてくると違和感がなくなり、かえって今では締めていないと、何か忘れ物をしたような感じさえ受けます。全てのドライバーが運転する時にこのような気持ちになれば、交通事故もこれまで以上にウンと少なくなるものと確信しております。






