私は電車で通勤するためJR宮崎駅を利用していますが、改札口で電車に乗り降りする人達を見ていますと、いろんな人に出会うことがあります。
私が自転車で宮崎駅に到着するのは、電車の出発時間の約10分前です。直ぐ電車が出発する2階の4番ホームに上がればよいのですが、そのホームには、約5分前に電車が到着し、電車から降りてくる人でホームが混雑しますので、その人達が降りたあと、ホームに上がることにし、いつも改札口付近で待つことにしているのです。
電車が到着したことが駅員のアナウンスで知らされますと、やがて通勤客と思われる人達が階段を降りてきて、忙しそうに改札口を通って行きますが、そのような降車客をボンヤリ眺めているうち、見るたびに服装が変わっている女性がいるのに気付きました。
その女性は、年齢が40歳代で、顔は少しふっくらとしていますが、まるで「女優」みたいなハッとするような美貌の持主なのです。そしてなりよりも私の目を引きつけたのは、その女性が身に付けている服装で、電車から降りてくる人達の中では、その女性だけが際立って目立つのです。一瞬、「どこの貴婦人かな」と思ったほどでした。
それから何回かその女性の姿を見かけましたが、いつも服装が違っていましたので、ある日、そのことを検定員の豊島さんと福田さんに話をしたのです。
すると、福田さんが、「あらっ、私が中学生の時も、毎日服装が変わる女の先生がいましたよ。ファッションモデルというあだ名がついていました。」と話をしてくれたのです。なるほどファッションモデルとは、的を得たニックネームだなと名付けた生徒に思わず感心するとともに、その女性がどれだけ服装が変わるものか、その翌日からジックリと観察することにしたのです。
私には女性の服装に関する知識が全くありませんので、当校きってのスタイリストと自負している豊島さんに服の名前を教えてもらい、観察したところ
○ ウグイス色のスーツ、グレーのコート、ウグイス色のハイヒール
○ 真っ赤な色のスーツ、黒色のコート、黒色のハイヒール
○ 黒色のフリンジスカート、赤と紫色のチェックのボレロ、黒色のハイヒール
○ 紫色のスーツ、白と赤色のチェックのボレロ、黒色のハイヒール
○ オレンジ色のスーツ、薄紫色のアンサンブル、白色のハイヒール
○ 黒色のパンツスーツ、黒色のスプリングコート、黒色のハイヒール
○ 淡いピンク色のスーツ、白色のハイヒール
という具合に、毎日服装が変わっていたのです。そして、どの服もセンスがあり、とても高価なように見えました。赤の他人である私でさえビックリした位ですから、その女性が勤めている会社の男性達も、おそらく「今日はどんな服装かな」と噂しているかも知れません。
その女性に気付かれないように、毎日観察場所を変えたり、瞬間的に上から下までの服装を記憶しなければならない等の苦労はありましたが、私にとっては楽しい1週間でした。しかし、これ以上観察を続けているとストーカーに間違われますので、残念ながらこれで観察は打ち切りとしました。






