最近、車を運転していると、シルバーマークを付けた車が走っている姿を見かけることが多くなってきました。それだけ我が国が高齢化社会になり、車を運転する高齢者が多くなったといえますが、やはり怖いのは交通事故です。交通事故の統計を見ましても、交通事故の死者の約40パーセントは高齢者が占めていますし、年々車を運転中の高齢者が関連する事故も増えているようです。
では、どうして高齢者は事故を起こしやすいのか、その原因についていろいろ調査されているようですが、その中でも「動体視力の低下」が最大の原因のようです。これに関連し、高齢者が車を運転中に「視線」がどのように動いているかをアイカメラを使って実験したビデオを見る機会がありました。
それを見ますと、高齢者の「視線」は、車の前方の一部だけに限られており、しかもその動きは停止している時間帯が多く、これでは道路標識や信号機、あるいは自転車歩行者等の動きをキャッチすることが出来ないことが一見してわかりました。
一方、30歳代の人が運転中の「視線」を見てみますと、前方はもちろんのこと、周りの動きを良くとらえており、絶えず「視線」が動いています。これでしたら標識等を早期に把握することが出来ますし、子供の飛び出し等があっても素早く対応できるようです。
このように運転中の「視線」は、交通事故を防ぐためには大事な要素の一つですが、ベテランドライバーと初心運転者の「視線」はどう違うのでしょうか。
都城自動車学校の送迎係をしている木場さんは、以前タクシーの運転手をしていたベテランドライバーですが、その木場さんの車に乗る機会がありましたので、どのように木場さんの「視線」が動くかを観察してみることにしました。
木場さんの場合、先ず車を発進させる前に、ドアミラーやサイドミラーを見て車の周りに子供等がいないか、あるいは障害物がないかを確認しています。更に後部座席からバックミラーに写る木場さんの「視線」を見ていると、一時も静止していないのです。運転中は前方はもちろんのこと、1分間に1回は必ずドアミラーやサイドミラーを見る等、周りの車等の動きに気を配り、とにかく「視線」が良く動いていることがわかりました。
これに比べて初心運転者の「視線」はどうなっているのでしょうか。朝、山之口駅から都城自動車学校に出勤途中、時々、高城町役場付近で当校の教習車と交差することがあります。そのとき、教習車を運転している教習生の眼の動きを見ていますと、慣れない路上運転で緊張しているせいもあるのでしょうが、顔は前方を向いているものの、「視線」は全く動いていないのです。教習生にアイカメラを取り付けて実験したら、おそらくビデオで見た高齢者と同じ眼の動きをしていることと思います。
こうしてみると、車を運転する場合、絶えず「視線」を動かして周りの車や人の動き等の情報を素早くキャッチすることが大切でありますが、そこまでに至るまでには、初心運転者にとってはある程度の運転経験が必要のようです。






