今年のアテネオリンピックは、男子マラソンを最後に全ての競技が終わり、日本選手は金メダル16個、銀メダル9個。そして銅メダル12個の合計37個のメダルを獲得し、日本中の人達に「感動と元気」を与えてくれました。
このメダル獲得数は、ロサンゼルス大会の32個を上回る過去最高のメダルの数ですが、今回は特に女子選手の活躍が目立ちました。柔道の「ヤワラちゃん」こと谷亮子選手、マラソンの野口みずき選手等が次々に金メダルを獲得し、オリンピックの前半戦を盛り上げてくれました。
日本選手の金メダルラッシュのトップを切ったのが柔道で、男女合わせて14階級のうち、8階級で金メダルを獲得し、お家芸である「柔道ニッポン」の底力を見せてくれました。
そんな中で残念だったのは、日本国中の人達が「金メダルに一番近い選手」として期待していた「井上康生選手」が準々決勝でまさかの一本負けを喫し、さらに敗者復活戦でも逆転負けして、金メダルはおろか銅メダルも取れなかったことです。
この試合の模様は2回戦からテレビで観戦しましたが、試合場に上がった康生選手の顔がやや青白く、また普段の試合では、相手と組み合うや、内股、大外刈り、背負い投げ等次々に「攻撃柔道」をするのに、それが全く見られず、モタモタしていたのです。
その姿を見た瞬間、「あれっ、これはヤバイぞ」と思いました。かろうじて2回戦では勝ち、続く3回戦では彼本来の柔道である豪快な内股で一本勝ちしたものの、準々決勝線では全く足技が出ず、内股だけに頼る単調な柔道になり、終盤戦ではポイントを失い、焦って前に出た瞬間、相手の選手に担がれ見事な一本負けを喫したのです。負けた瞬間、仰向けになって天井を見つめる康生選手の姿がアップで映し出されましたが、その目はうつろで、おそらく本人としては、頭の中が真っ白になっていたものと思います。
金メダルを期待されながらこれを取れなかったショックで、次の敗者復活戦も彼本来の柔道が見られず、康生選手のオリンピックはアッケなく終わってしまいました。この結果は、試合前に順調に仕上がっているという評判であり、日本国中の人達が「金メダル間違いなし」と期待していただけに、返す返すも残念でした。
今回の康生選手の負け方を見ますと、単に「オリンピックのプレッシャー」だけでなく、身体の負傷だとか、体重が100キロ級ですから、減量し過ぎによる失敗等があったのではないかと考えられます。このような場合、期待されていただけに、負けた原因をあれこれ弁解したいところですが、康生選手は全く弁解せず、試合後の記者会見では正面を見据え、「負けたことは正直言って悔しいです。次、リベンジします。」と堂々と答えてくれました。
私はこのように「勝って奢らず、負けても決して愚痴を言わない」そんな康生選手が大好きです。また、メダルが取れずに負けたわけですから、人の前には顔を出したくないはずなのに、日本選手団の主将として最後の閉会式まで残り、笑顔で他の選手を応援する姿には感動しました。人間的に成長した証拠です。
康生選手は現在26歳ですから、まだまだ戦えます。「ゼロからのスタート」になりますが、4年後の北京大会ではきっと金メダルを獲得してくれるものと期待しています。






