先週、宮崎県指定自動車学校協会の一員として三重県の上野自動車学校を視察しましたが、大変参考となりましたので、その内容を皆さんにお知らせします。
上野自動車学校は、三重県の西部、上野市にある公安委員会指定の自動車学校ですが、上野市は、伊賀忍者発祥の地と松尾芭蕉の生誕地として知られた人口6万人の城下町です。
学校は、市内の北部の小高い丘の上にあり、直ぐ近くには「JR伊賀上野駅」がある等交通環境に恵まれた所でした。バスが丘の上に上がると、直ぐ目の前に場内コースが見えて来ましたが、先ずビックリしたのは、コースの整備の良さでした。芝生は綺麗に刈られ、中に植えられているツゲの木も整然と剪定されており、その見事さには、一行の中から「わあ、綺麗なコースだな」という声が出たほどでした。
さて、三重県内には22の指定自動車学校がありますが、同校は昭和37年に公安委員会の指定を受けた学校で、規模は、職員数が設置者以下30名、年間入校者数1,100名ということでした。
学校概要の説明を受けたあと、校舎内の各部屋を見学しましたが、校舎が実に機能的に造られているということです、校舎は3年前に造られたそうですが、先ずエレベーターの設備があることです。これでしたら、1階の駐車場に車を止め、エレベーターを利用して2階のフロントまで楽に上がれますから、高齢者の人達にとっても便利です。
2階には受付があり、カウンター上には「予約専用パソコン」が置かれ、教習生が自分の好きな時間に車に乗れるシステムになっていました。そのほか、2階には「喫煙室」、「託児室」「高齢者教室」等があり、さらに3階に上がると、学習機がある「自習室」、「学科教室」、「シュミレータ室」等の部屋がありましたが、建築後間もないせいか、各部屋の机や椅子等が真新しく、眩しい位でした。
そして、羨ましい施設だなと思ったのは、3階の北側にある「待合室」でした。この部屋には、丸テーブルとその周りには椅子が置かれ、ゆっくりとくつろぐことが出来ますし、それになんといってもそこからコース全体を眺めることが出来、窓際に置かれた椅子に座って勉強している生徒さんの姿を見ていると、思わず勉強意欲が湧いてくるほど素晴らしい環境でした。
また、会長さんを始め、職員の方々の姿を見ていると、家族的な雰囲気と「ゆとり」が感ぜられました。その「ゆとり」は、三重県内には個人教習所が全くない上、上野市内及び周辺の町にはライバル校がなく、従って、特別募集活動をしなくても良いという説明でしたから、そのせいかなと思ったのです。
しかし、その「ゆとり」の原因は、そうばかりではありませんでした。それは、開校以来42年の伝統と、そして会長さん自ら、高齢者講習を終えて帰る受講者を見送る等、会長さん以下の経営幹部が率先して日々の雑用をこなし、その結果、学校全体が家族的であるということでした。
さらに、同校では募集活動は特別していませんが、その裏には「教習生が卒業してから交通事故を起こさないよう、安全で確実なドライバーを育てる」という経営方針があり、これが職員に浸透し、しっかりした教習が行われ、それが口コミで地域に広がり、毎年の入校者数の安定につながり、それが「ゆとり」となって現われてきていたのです。
今回の視察を終え、上野自動車学校に「今後自動車学校のあるべき姿」を垣間見たのは、どうやら私だけではなさそうでした。






