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歌舞伎が語源の言葉

 橋本元首相が衆議院政治倫理審査会で、日本歯科医師連盟から自民党旧橋本派への1億円献金隠し事件について、「事実だと思う」と1億円授受を認める弁明をしましたが、この件で朝日新聞は社説で、「この芝居で幕は引けぬ」というタイトルで内容を解説していました。このタイトルの中にある「幕を引く」とは、事の終わりを意味しますが、実はこの言葉は、歌舞伎が語源となっている言葉なのです。
 ご承知のとおり歌舞伎は、江戸時代に発達・完成した我が国特有の演劇ですが、約400年の歴史があるため、私達が日頃何気なく使っている言葉の中には、このような歌舞伎が語源となっている言葉がたくさんあります。
 例えば、「二枚目」という言葉があります。これは江戸時代、上方歌舞伎の芝居小屋の前には八枚看板が掲示されていましたが、その看板には、一枚目は「主役」、二枚目に「美男役」、そして三枚目に「道化役」の名前が書かれていたので、それが語源になり、美男子、男前、ハンサムのことを「二枚目」と呼ぶようになったということです。現在日本では「二枚目」のスターが見られませんが、先日、韓国から来日した「ヨン様ことペ・ヨンジュン」さんあたりがさしずめ「二枚目」と言ってよいでしょう。
 次に「どんでん返し」という言葉があります。これは物語を見ていて、結末は絶対こうなるだろうと予想していたところ、本当に思いもよらない結末が待っていたような時に使われている言葉です。またこの言葉は、私達の日常生活でも使用され、例えば付き合っている彼女に「結婚してくれ」と告白した瞬間、「実は好きな人が出来ちゃったの」と言われたときにも使われています。
 舞台演出方法として、バックの風景等を急に別の物に変えてしまうようなことがあります。テレビ等では場面が切り替わるのは当たり前のことですが、舞台では一瞬のうちに場面を変えることは出来ません。そこで当時の舞台では、場面を切り替える際は、人力で裏方が「せいの!」と勢いをつけて背景等をひっくり返していました。さらに勢いをつけるため、太鼓を「どんっ!」「でんっ!」と叩いていたそうです。そこでいつからか、この装置を「どんでん返し」と呼ぶようになり、それが日常生活にも使われるようになったということです。
 また、「十八番(おはこ)」とは、得意な芸のことを意味しますが、その語源は、江戸歌舞伎の雄といわれる市川家が、自家の得意とする演じ物の台本を箱に入れて大事に保管していたことにあります。その台本が全部で18種類あったことから「十八番」と書いて「おはこ」と読まれるようになったということです。
 ちなみにその「十八番」とは、「不破」「鳴神」「暫」「不動」「うわなり」「勧進帳」「象引」「助六」「押戻」「下郎売(ういろううり)」「矢の根」「関羽」「景清」「七つ面」「毛抜」「解脱」「蛇柳」「鎌髭」です。
 このほか、「茶番」「どんちゃん騒ぎ」「とんぼ返り」」等、歌舞伎が語源となっている言葉がたくさんありますが、それだけ歌舞伎が庶民に親しまれてきたという証拠でしょう。

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2004年12月13日 10:13に投稿されたエントリーのページです。

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