校長のひとり言ブログ|都城自動車学校

« ハイヤー | メイン | お茶飲み友達 »

過信

 先週、秋田県と岩手県にまたがる標高1、487メートルの乳頭山に登山したグループが、吹雪で下山ルートを大きく間違え、下山口と思っていた場所と全く反対の岩手県側に下山し、危うく全員が遭難しそうになる事案が発生しましたが、幸い、軽い凍傷者はあったものの、全員無事に救助され、ホッとしました。
 救助されたグループのリーダーは「乳頭山には学生時代から数十回登っており、山のことは熟知していたつもりが、逆に仇となった。自尊心が間違いを起こした。」と自分自身の『過信』を認める謝罪の記者会見をしていましたが、今回の遭難騒ぎは、あまりにも自信過剰になると、思わぬ失敗を起こすということを如実に示した事案でした。
 テレビや新聞等の報道によりますと、このグループは、秋田市内の年金受給者とその家族で結成する「山楽会」の会員で、年間を通して各地の山に登山しており、今回の「乳頭山登山」も例年、この時期に行っている、いわば恒例の登山だったようです。従って、今年の登山に参加したメンバーも50代から70代までの男女43名で、ピクニック気分の人達も多かったということです。
 ところが、例年、3月末の乳頭山は、山頂の一部に残雪がある程度で、春山の様相なのに、今年は雪が多く、山全体がまだ雪が積もった状態だったそうです。「山楽会」の会員で、今回参加しなかった人が、遭難騒ぎが明るみになったとき「天気予報では、吹雪になるということであり、参加する会員に『中止したほうがいいのではないか』と携帯電話で通話した」とインタビューに答えていましたが、この点について、リーダーは「秋田市内は青空であり、行ける所まで行って見ようと考え、登山口を出発した。」と説明していました。
 登山の専門家は、「少人数だったら中止を決定するのは簡単だが、大勢の参加者があったとき、中止を決定するのは非常に難しい。しかし、気象状況を見て冷静に判断し、危険性があるときは直ちに中止を決定するのが真のリーダーだ。」と説明していましたが、今回のリーダーはその点、出発の時点から甘い判断だったようです。
 さらに、リーダーは、「昼食は山小屋で済ませ、出発しようとしたところ、山小屋付近は猛吹雪となっていたが、この山のことは慣れていたので、引き返すのは簡単だと判断して出発した。途中で吹雪がますます激しくなり、目印となる物はすべて吹き飛ばされ、道に迷ったというより、方角が全くわからなくなってしまった。」と説明していました。このリーダーは若いときから登山の経験があるということでしたので、当然登山する場合に必要な地図、磁石、コンパス等を持っていたはずですが、なぜこれらを活用して方角を確かめなかったかと疑問に思いました。
 おそらく、自尊心が強い、このリーダーのことですから、「俺がこの山のことは一番知っている。心配するな。」と他の会員をリードしたものと考えられますが、それにしても危うく全員遭難となるところでしたから、この問題は後々まで尾を引くものと思われます。
 自分の行うことは絶対間違いないと言い、他の人の意見に全く耳を貸さない人もいますが、人間ですから時には間違うこともあります。自信過剰もほどほどにしないと「過信」となり、失敗につながるようです。

About

2006年05月15日 10:13に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「ハイヤー」です。

次の投稿は「お茶飲み友達」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。