4月になった途端、ガソリンが値上がりはじめ、最初は1リットル当たり110円だったレギュラーガソリンが、1週間後には120円まで跳ね上がりました。テレビニュースの解説によりますと、その原因はガソリンの原油の約半分を中国とインドが買い占めたためということで、今後、日本国内のガソリンの値段はさらに上がるということでした。
テレビでは、ガソリンの値上げに伴い、痛手を受けるタクシー業者に対するインタビューをしていましたが、その中で、経営者の一人が「このハイヤーは1日当たり、約40リットルを消費しますので、当社にとって今回の原油の値上げは大きな痛手です。」と説明していました。見ると、経営者の横には、黒塗りの高級車が写っていましたが、その画面を見て、私のすぐ横でテレビを見ていた妻が「この黒い車はハイヤーとなっているが、ハイヤーとタクシーはどう違うの?」と尋ねたのです。
テレビの画面を見ていた私は、突然の質問だったので、「うむ」と咄嗟に返答に窮しました。その間、頭の中で「ハイヤーとタクシーの違いは、ずっと前に聞いたようにあるがどうだったのかな」と記憶をたどってみたのです。しかし、どうしてもはっきりした違いを思い出すことが出来ず、残念ながら、その場は「後で違いを調べてみる」と言葉を濁したのです。
そこで、早速、その違いを調べたところ、その違いがわかりました。まず、その違いをはっきり規定しているのは「タクシー業務適正化特別措置法」という法律です。その第2条には「ハイヤーとは、一般乗用旅客自動車運送事業を経営する者が、その事業の用に供する自動車で、当該自動車による運送の引き受けが営業所のみにおいて行われるものをいう」と規定されています。つまり、わかり易く言えば、「ハイヤーとは、営業所などにいて、お客さんからの申し込みを受けて、お客さんの指定する場所に行き、お客さんを運ぶ自動車」のことです。これに対してタクシーとは「町の中や決められた乗り場などで、注文によって客を乗せ、走った距離と時間にしたがって料金を取る自動車」のことなのです。タクシーは、お客さんを求めて、町中を走ることが出来ますが、ハイヤーはタクシーのような流し営業は禁止されているのだそうです。
また、ハイヤーは元来「車と人を雇う」という意味で、一般的には「ハイヤード・タクシー」の略だそうですが、私達にとっては、ハイヤーには高級自動車というイメージがあります。それもそのはずです。調べてみると、国土交通省では、ハイヤー・タクシー事業者に対し、「ハイヤーは、デラックス車以上のハイグレードな車両を使用するように」という指導が行われているそうです。それで、ハイヤーと呼ばれている車には、国産車では、セルシオ、シーマ等の大型車、外車 (輸入車)では、キャデラック、ベンツ等が使われているのです。
このように、ハイヤーとタクシーには確かに違いがありますが、年配の方の中には、ハイヤーとタクシーをごっちゃにして使う人もいますし、「ハイヤード・タクシー」がもともとの言葉であるところからしても、口角泡を飛ばして、「ああだ、こうだ」と議論する必要性は、あまり意味がなさそうに思えます。






