4月中のある日の昼休み時間、職員室から外に出たところ、赤崎副校長から「校長、今年もカラスの巣作りが始まりましたよ。」という声がかかりました。赤崎副校長が指差す二輪コースの方を見ると、照明柱のてっぺんに巣らしきものがあるのが見えました。二輪コースには6個の照明柱がありますが、カラスの巣らしきものがある照明柱は、四輪コースに近い東側にあり、毎年この時期になるとこの照明柱のてっぺんにカラスが巣を作るのです。
そこで、今年の巣の作り具合はどんなものかと思い、近づいて見ると、高さ約10メートルの照明柱のてっぺんには、枯れ枝を集めた一見してカラスの作品と思われる巣が出来つつあるのが見えました。なぜ、その巣がカラスの巣かといいますと、他の鳥、例えばスズメや鳩の巣は枯れ草等できれいに作られていますが、カラスの巣は枯れ枝等で大雑把に作られていますから、下から巣を見ると巣の中が丸見えに見えますので、すぐカラスの巣だとわかるのです。
照明柱の下から、そのカラスの巣を眺めていると、北側の方から1羽のカラスが巣をめがけて飛んでくるのが見えました。見ると、カラスの口には枯れ枝が見えましたので、このカラスが巣の持ち主だなとわかり、どんな巣作りをするのかと興味が湧いてきましたので、しばらく観察をすることにしたのです。
すると、巣をめがけて飛んできたカラスが、照明柱の真下に私がいるのに気づいたのか、急に方向を真東に変え、約50メートル離れた四輪コースの照明柱の方に飛んで行き、やがてその照明柱のてっぺんに止まると、じっと私の方を向いているのです。その様子からどうやら私が巣に何かイタズラをするものと考えたようでしたので、その場所を離れ、近くの二輪コース内にある控え室から観察することにしたのです。
やがて四輪コース内の照明柱に止まっていたカラスが、巣がある照明柱に飛んでくるとすぐ、くちばしを器用に動かしてくわえてきた枯れ枝を作りかけの巣に追加し、丸くしていかにも巣らしくしたのです。その様子を約10分位じっと見ていましたが、鮮やかな手さばき、いや口さばきには感心させられました。いったい誰が巣の作り方を教えたのでしょうか。親のカラスから習ったのか、それとも動物本来の習性でこのような見事な巣を作ったのかもしれません。さらに、巣の様子をよく見ると、枯れ枝のほか金属みたいなものも見えます。何だろうかと思い、下から見上げてみると、それはハンガーの針金でした。おそらく近くの民家の庭先にあったものを失敬して来たものと思いますが、それを器用に丸め、自分の巣にするわけですから、カラスの頭の良さにはほとほと感心させられた次第です。
今日の観察はこれで終わりましたが、カラスはとても頭の良い鳥で、子育てをしているときは人間に対しても攻撃してくるそうですから、次回からは、カラスに気付かれないよう双眼鏡を使って観察することにします。
カラスは、卵を抱き始めてから約3週間で孵化するといわれていますから、やがて5月の連休明け頃には、この巣から雛が育つものと思います。毎年巣はそのままにされ、これが電気のショートの原因になりますので、今年もまた、職員の方が取り除くことになるでしょう。






