4月25日に発生した兵庫県尼崎市のJR福知山線の脱線事故では、死者が107人に達したほか、救出されて病院に収容された乗客の中にも、未だ20数人の方が意識不明や重傷のため集中治療室で治療中という大惨事が発生しましたが、その原因がまだ調査中の段階なのに、JR西日本職員の不祥事が次々と明るみになり、収拾がつかない状態となっています。
まず、明るみになったのは、事故を起こした電車に乗り合わせていたJR西日本の運転士2人が、救助活動をせずにそのまま、自分の職場に向かっていたことです。最初の報道では、2人の運転士とも事故直後逃げるようにして現場を立ち去ったということでしたが、その後の調査では、2人とも携帯電話で上司に報告し、指示を受けて出勤したということです。それにしても救助活動に加わらずに出勤し、通常通りに乗務していたということですから、国民にとっては全く信じられない振る舞いです。また、その後の記者会見では、2人の運転士とも「気が動転していた」と説明していますが、事故直後、現場付近の市場にいた人達が、自分の仕事をほったらかしにして救助活動に加わったことに比べると、その意識には雲泥の差があるようです。
その問題が片付かないうちに、今度は大阪天王寺車掌区の43人が事故当日、ボウリング大会を開催していたことが報道されました。調査によると、このボウリング大会は、事前に計画され、参加したのは当日休暇の社員だったそうですが、参加した43人全員が車内放送等で事故の発生を知り、そのうち13人は自宅のテレビや同僚からのメールで死傷者多数いる重大事故と認識していたということです。さらに、このボウリング場内にはテレビがあり、事故の模様は放映されていたということですから、むしろ重大な事故であったことを知らなかったというのはどうみても不自然です。
また、ボウリングを続けることに疑問を持つ社員もいたが、「目上の人に言いづらかった」と上司に中止を進言しなかった理由を説明していましたが、私はその放送を聞いていて単なる弁解のように聞こえました。それは、ボウリング大会が終わった後、27人は当日の夕方、天王寺駅前の居酒屋で開催された懇親会に出席し、その後、何人かは二次会、三次会に参加していたからです。居酒屋の懇親会に出席した社員のうちの一人は「事故のことは知っていたが、30人分の予約をしていたのでキャンセルしづらかった」と弁明しているそうですが、全く開いた口が塞がりません。
この調査結果は、まさに「安全優先」という鉄道マンの意識が欠如していることを世間に露呈した格好になりましたが、事故現場に献花に来た遺族等の口からは「安全への意識が欠けている」「同じ会社のことなのに、何も感じないのか、腹立たしい」等厳しい意見が出されていました。私も全く同感です。
JR西日本の社員には、「自分の管轄区域以外で発生したことには関係ない」という考えがあるほか、記者会見において、幹部が「社員のプライベートのことには干渉しない」と発言しているところからみると、どうやらJR内には今も、旧国鉄が持っていた「企業風土」がそのまま残っているようです。
従って、JR西日本が事故の再発防止を図るためには、全職員が協力し、こうした「企業風土」を払拭する職業教育を行う必要性があるようです。






