ある雨の日の出来事です。その日は朝から雨でしたので、自宅からJR宮崎駅までバスで通勤したところ、自転車通勤時と違って約10分早く到着しました。待合室でしばらく待つことにし、そこに行きますと、約20人位座れる長椅子は、1箇所を残してほぼ一杯の状態でした。椅子の周りを見ると、立っている人も何人か見られ、その人達がどうして空いている席に座らないのかと不思議に思いながら、空いているその席に座ったのです。
カバンの中から小説を取り出して読み始めたところ、何か変な臭いが漂ってきました。その臭いは汗臭いというより、うまく言葉に表すことが出来ないような嫌な臭いでしたので、臭いのする右隣りを見たところ、50歳代で髪がボサボサ、あごヒゲがのび放題の男性が、背もたれにもたれて眠っていたのです。その男性の横には薄汚れたバッグが置いてあり、一見して「ホームレス」とわかりました。道理で立っている人が空いている席に座らなかったはずです。
こうした「ホームレス」は、宮崎市内においては冬季は見られませんが、4月ごろになるとよく見られます。私が知っている「ホームレス」が集まる場所は、JR宮崎駅のほか、県立図書館や平和台公園等です。
私が始めて「ホームレス」の姿をこの目で見たのは約30年前です。東京に出張し、当時の国鉄新宿駅の地下道を通ってみたところ、両側にはダンボールが敷き詰められ、そこには当時社会問題化されていた路上生活者、つまり、「ホームレス」の姿が見られたのです。歩きながら、ダンボールの中をのぞきますと、なべや食器類の姿も見られたほか、背広等がぶら下がっていましたが、その様子を見て、終戦直後でもあるまいし、何だか侘しい思いをした記憶があります。
その「ホームレス」でも、現代版というか、変わった形態の「ホームレス」を見たことがあります。それは、2,3年前のことですが、私が住む団地に隣接して平和台公園がありますが、散歩中、その公園の駐車場に「鹿児島県ナンバー」の乗用車があるのに気付きました。その車は、朝はもちろんですが、夕方散歩中に通っても駐車しており、しかも車内には犬と男の人がいるようでした。さらに、日曜日にその車のところを通ったところ、その車の持ち主である男の人が、背広や洗濯物をガードレールに干している姿を見たのです。聞けばその男の人は、車の中で寝泊りし、そこから会社に通っているということでしたが、約2ヶ月間、そのような車生活をしているようでした。
さて、その「ホームレス」のほとんどの人は男性のようですが、その理由は何でしょうか。それだけ男性は女性に比べて、根性がないのかもしれません。それと、「ホームレス」をしている人達は、ほとんどが無気力のように見受けられます。この無気力に見えるところが、少年達のイタズラの対象になっているようです。毎年、全国各地で「ホームレス」に対する暴行事件や傷害致死事件が発生していますが、逮捕された少年達は、異口同音に「汚かったので石を投げたが、何の抵抗もしなかったので、面白半分に殴った。」と供述しています。
何か寒々とした世の中になったようですが、一日も早くこのような「ホームレス」の人達がいない、世の中になって欲しいものです。






