校長のひとり言ブログ|都城自動車学校

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視野

 ある日曜日の朝、食事を済ませて食卓で新聞を読んでいたところ、私方と南隣りの家の間に設置された、高さ約1メートルのブロック塀の上に、何か動く物の気配が感じられたので、目を上げて見ると、それは近所で飼っている猫でした。その猫は私方の庭にも平気で入って来て糞をするいささか図々しい奴ですが、その日見た猫の様子は普段と少し違っていました。
 それは、ブロック塀の上に座り、じっと東の方を凝視しており、何か狙っている様子でした。その猫の姿を見て、ふと私は悪戯したい気持ちになり、咄嗟に右手を挙げて猫の方に手を振ってみたのです。私と猫の間は約10メートルも離れており、しかも猫は東の方を凝視していましたから、猫から見れば左側90度の所にいる私の姿は見えるはずがないと思っていたのです。ところがその猫は私が手を振った瞬間、さっと顔を私の方に向けたのです。これには私もびっくりし、改めて猫の「視野」の広さに驚いたわけです。
 さて、「視野」といえば、先日NHKで放映された「なぜ起きるか高齢者の事故=視野」は、見ていて大変参考になりました。平成17年中に全国で発生した交通事故の死者は、久方ぶりに7,000人を割り減少しましたが、65歳以上の高齢者の死者数は、ここ10年横ばいの状態になっており、その原因は、どうやら高齢者自身が、「視野」が狭くなっていることに全く気づいていないということでした。
 秋田大学のプロジェクトチームが行った実験では、真っ暗な室内の状態で、被実験者は真正面に見える明かりを凝視し、例えば、右端の方で光が見えた場合は、右手を挙げる方法で行われていました。80歳代の高齢者の場合、端の方で光が輝いても、全くといっていいほど反応が見られませんでしたが、20歳代の人の場合、よく手が挙がっていました。実験の結果、20歳代の「視野」の角度は170度でしたが、80歳代になると、これが120度と30%も「視野」が狭くなっていました。
 また、左右から車が近づいてくるシミュレーションの画面を見ながら、安全を確かめて横断する実験では、高齢者の場合、右側から車が近づいているのに全くその存在に気づかず横断を始めてみたりして、結果的には約60%の人が衝突している状態でした。また、高齢者、特に女性では骨粗鬆のため腰が曲がっている人をよく見かけますが、このような人が手押し車を押して横断を始めた場合、下の方ばかり見ていますので、更に「視野」が狭くなっており、このことが高齢者が道路を横断中に車からはねられる原因になっているということでした。。
 今回のテレビでは、高齢者のうち、歩行者に重点をおいた実験結果が放映されていましたが、歩行者だけでなく、ドライバーでも「視野」が狭くなっているのではないかと思われる光景を見かけることがあります。それは、高齢者ドライバーは腰が曲がっているせいか、前かがみの状態でハンドルを握っている人が多く、従って、「目線」もやや下がり、また、交差点で左右の安全確認をする場合も、チラッと左右を見ただけで、すぐ交差点内に入っている状況です。おそらく、ドライバー自身、加齢のため「視野」が狭くなっているのに、気づいていないと思われますので、今後、高齢者講習を実施する場合、指導員はこの点をしっかり指導していただくようお願いします。

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2006年06月12日 10:13に投稿されたエントリーのページです。

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