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校長のひとり言ブログ

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2006年11月 アーカイブ

2006年11月 6日

飲酒運転とアルコール依存症

 今年の8月末、福岡市内において、カブトムシを取りに出掛けた家族連れの車が、飲酒運転の車に追突されて橋から転落し、幼児3名が死亡する痛ましい事故が発生し、全国に「飲酒運転撲滅運動」が拡がり、最近、新聞紙上では、飲酒運転追放に関する記事が毎日のように掲載されています。
 飲酒運転の厳罰化については、高速道路において飲酒運転のトラックに追突され、幼い子供が焼死した事故を契機に平成14年には刑法が改正され、新たに「危険運転致死傷罪」が制定されました。これにより、一時、飲酒運転による交通事故が減少しましたが、警察庁が10月27日の夕方から翌28日の朝にかけて行った全国一斉の飲酒取締りでは、逮捕者17人を含む1,053人が飲酒運転(酒酔い・酒気帯び運転)で検挙されるという結果で、依然として飲酒運転をする人は減少していません。
 また、警察を始め、専門家の間では、飲酒運転を撲滅する最大の対策は、「厳罰化」ということで、刑法が改正されて「危険運転致死傷罪」が制定されたほか、飲酒運転をして死亡事故や重傷事故を起こした場合は、懲戒処分や解雇といった厳しい処分をする公共団体や企業が増加していますが、依然として飲酒運転は減少していません。なぜ、飲酒運転が厳しい取り締まり等にもかかわらず、減少しないのか疑問に思っていたところ、先日、「飲酒運転抑止へ依存症対策を、市民団体、国に要望」という記事が新聞に掲載されていました。
 それによりますと、飲酒運転の背景には「アルコール依存症」という病気があるということです。医師等の専門家の話によると、ビールや日本酒、焼酎、ウイスキーなどのアルコール飲料は、一般に「嗜好品」といわれていますが、同時に依存性のある薬物というもう一つの顔を持っているそうです。したがって、毎日のように飲酒している人は、長い年月の間に、知らず知らずのうちにアルコールに依存してしまうようになっているということで、現在日本には、少なくとも240万人のアルコール依存症者がおり、驚いたことに、そのうち約80万人は、運転免許証を持っているということです。
 「アルコール依存症」というのは、「今日は飲まずにいようと思っていてもつい飲んでしまう」、「少しでやめておこうと思っていても、酩酊するまで飲む」等の状態が続き、やがて「やたらに汗をかいたり、風邪をひいたように熱っぽくなる」、「手や全身の震え、幻覚等が起きてくる」といった症状になり、飲酒するとこのような症状がなくなってくるという病気だそうです。このような「アルコール依存症」は、眠るための方法として「寝酒」をしている人にみられ、特に職業運転手が多いということです。職業運転手がアルコールに依存する大きなきっかけも、不規則な勤務のために睡眠パーターンが崩れやすく、早く眠りに着こうとして「寝酒」するようになり、知らず知らずのうちに病気になっているということです。
 アルコールに依存した状態の人が運転を続けるのは、自分だけでなく他人の命を大きな危険にさらす行動ですが、その危険に対する正常な判断が出来ないのは、本人の性格や人格欠陥ではなく、「病気」のためですから、早期に治療することが必要なわけです。既にアメリカでは、飲酒運転で摘発された人に対し、裁判所が教育プログラムの受講を命じ、依存症が疑われる場合は、治療機関に送られる制度が確立していますので、日本においても、早期にこのような対策を講じられることが望まれます。

2006年11月13日

朝食抜き

 最近、文部科学省が公表した子供の学力や体力・運動能力は、1985年をピークに下がり始め、歯止めが効かない状態になっているようですが、その大きな原因は、どうやら「朝食抜き」だということです。つまり、塾通いやテレビゲーム等のため、子供達の寝る時間が遅くなって睡眠不足になり、朝ご飯を食べずに学校に行くといった不規則な生活が続き、これが生活リズムを崩して学力や体力・運動能力の低下につながっていると指摘しています。文部科学省の調査によると、小学生・中学生の約64,3%の子供達が「朝食抜き」で学校に行っているということです。また、ある調査では、朝食を取らない人が増えており、特に若い世代に多く、20歳台では、男性の3人に1人、女性の5人に1人は「朝食抜き」だということです。朝食を食べないと、午前中の仕事や学業に悪影響を及ぼすばかりでなく、生活習慣病(成人病)にかかりやすくなるということです。
 「朝食抜き」の原因は、夜更かしが大きな要因になっているということで、広島県のある小学校では、学校が中心となって父兄に働きをかけ、「早寝、早起き、朝食運動」を実施しており、運動を始める2年前に比べ、子供達の学力や体力・運動能力があがったそうです。そして、これまで朝からボヤッと眠そうにしていた子供達がいなくなり、落ち着いて勉強できる環境が出来上がったということです。
 私達は、小さい時から1日3食の生活をしていますので、これが当然だと思っていますが、最近、ダイエットのために「朝食抜き」をしたり、日本人は本来1日2食の生活をしていたのだということで、「朝食抜きの勧め」といった本が出版されるなど、むしろ「朝食抜き」を助長する傾向があります。しかし、医学関係者の話によると、やはり、人間は朝食を抜くと色々弊害が出るようです。
 それでは、朝食はどんな役割があるのか調べてみましたところ
 ○ 睡眠中に低下した体温を回復し、身体活動を活発にする。
 ○ 脳のエネルギーである糖質を補給し、知的活動を盛んにする。
 ○ ホルモンや酵素の分泌を促し、生体リズムを整える。
の3点があります。全寮制の大学で朝食を取ったグループと取らなかったグループを対象に、学業成績と欠席時間を調査したところ、朝食を取ったグループの方が、いずれも明らかに優れていたという報告もあるようです。
 このように、朝食は人間にとって大事なことはわかりましたが、朝食を取るためには、夜更かしをしないことが大切なようです。夜更かしをすると、つい夜食を取りがちで、遅い時間に夜食を食べると、睡眠が浅くなり、朝は空腹を感じなくなり、ぎりぎりまで寝ているといった悪環境に陥りやすいということだそうです。
 自動車学校においては、朝1時限目から、しっかりした教習を行わなければいけないわけですから、前日は遅くとも12時までには就寝して十分睡眠を取り、そして朝食は必ず取る習慣を身につけて欲しいと願っています。これまで、「朝食抜き」をしていた人にとっては、苦痛かもしれませんが、先ずは早起きし、食べやすい物を食べるといった簡単なことから始められることをお勧めします。

2006年11月20日

国語力

 先日のNHKテレビ「クローズアップ現代」という番組で、「読み書きの出来ない若者対策」が放映されていました。それによると、ある大学で、学生にレポートの提出を求めたところ、漢字を知らないのか、平仮名を多く使ったレポートや誤字、脱字が目立ったそうです。これには、大学の先生達もがっくりしたそうですが、何もこの傾向は大学生だけでなく、若者全体に共通したことで、それだけ現在の若者の「国語力」が低下しているということです。この「国語力」の低下の傾向は、企業にとっても大きなミスにつながっていることが、番組で紹介されていました。
 それによると、岐阜県のある半導体メーカーで、機械操作の注意書きが書かれているにもかかわらず、担当する若者社員が、言葉の意味を知らないばかりに、約150万円の損失を出したということです。その注意書きというのは、「研磨液に差異が生じた場合は、直ちに上司に報告すること。」となっていたそうですが、若者社員は、「差異」という文字は読めたものの、その意味がわからず仕事をしていたため、目の前のタンクの研磨液の色が通常とは違うことに気づきながら、直ちに上司に報告せず、会社に損害を与えたということです。
 このように、日本の若者の「国語力」が低下しているのは、なぜでしょうか。専門家によると、原因として第1番に挙げられているのは、携帯電話の普及とメールに費やす時間の多さだそうです。1,200人の若者にアンケートした結果、本を読まない、文章を書かないと答えた若者のうち、1日にメールを打つ時間は、大学生で35分、中学生で65分あったそうです。このように今や携帯電話、特にメールは日常生活には欠かせないものになっています。
 このメールが、脳にどのような影響があるのか、ある脳機関で調査したところ、ペンで手書きした状態では、脳全体が赤みを帯び、つまり脳が活発に動いたそうです。それは、手書きだと、縦書きかそれとも横書きか、文字の大きさは、紙のどのあたりから書き始めるかなど、考えますので、それだけ脳の動きが活発になるというわけです。これに反して、メールを打つ状態では、脳全体に赤みを帯びた所は見当たらず、脳が動いていないということがわかったそうです。これは手書きのように処理する情報が少なく、ただ機械的に文字を打つだけですから、記憶力、思考力は全く発達しないというわけです。
 このような結果を踏まえ、上記の岐阜県の半導体メーカーでは、若者の「国語力」対策として、昼休み時間に勉強時間を設け、古典や小説の写し、年3回の漢字能力検定受験を行い、検定試験合格者には、人事面で評価するという方法で若い社員のやる気を引きだしたということです。また、ある人材研修センターでは、文章を暗記させるため声を出して読ませたり、1日5時間以上手書きさせる研修を行い、その結果、文章を書くのが億劫にならないようになり、スムーズにお礼状が書けるようになリ、「国語力」がアップしたという効果も出ています。
 声を出して文章を読み、手書きをすることが脳の活性化につながり、それがひいては、「国語力」のアップにつながるということなので、私は朝食後、新聞の「天声人語」欄をゆっくり声を出して読み、さらに夜は、広告用紙の裏紙にその内容を書き写すようにしています。黙読に比べて内容も理解しやすくなった等の利点がありますので、これからも継続していくつもりです。

2006年11月27日

ナイスプレー

 平成18年の女子ゴルフ最終戦を飾るLPGAツアー選手権杯リコーカップは、宮崎CCで開催されましたが、昨年から活動拠点の場を鹿児島から宮崎に移した横峰さくら選手が、公式戦では初めて、今年3勝目で見事優勝しました。私は、最終日の11月26日、小雨の降る中、いつもはテレビでしか見ることが出来ない選手をすぐ目の前で観戦し、「ナイスプレー」を随所で見ることが出来ました。優勝した横峰選手の、OUT9番とIN11番での第2打のドライバーによるショットなどは、さすがはプロ選手だと思わせましたが、その中で私を始めギャラリーが最も感動した「ナイスプレー」がありました。
 それはOUTの1番ホールにおける台湾のウェイ・ユンジェ選手のプレーです。選手達22名は全てOUTの1番からスタートしますので、私はこの日、ティショットを始め、第2打を打つのが見える1番ホールのグリーン脇に陣取り、選手達のプレーをつぶさに見学することにしました。その中で、ユンジェ選手の第2打は、グリーンをはるかにオーバーしてギャラリーの足に当たり、ボールはOB線の間際まで飛んでしまったのです。もし、ギャラリーの足に当たらなければ、OBとなるところでした。しかし、ボールは木の枝の下で、おまけに、土の上にありましたので、トラブルかなと思っていましたが、ユンジェ選手は第3打を見事にピンのそばに寄せ、このホールをパーとしたのです。
 両選手のプレーが終わったとき、ユンジュ選手と一緒にプレーしていた肥後かおり選手が、ユンジュ選手の足元を指差し、何か言っているようでした。その声は私にはよく聞こえませんでしたが、ユンジュ選手が自分のスパイクの方を見ており、よく見ると、スパイクに黒い泥が付いており、ユンジュ選手が歩いたグリーン上には点々と泥らしきものが付いているのが見えました。その泥は、グリーン奥の土の上から第3打を打った時、折からの雨でぬかっており、その泥がスパイクに付いたもののようでしたが、ユンジュ選手はプレーに熱中していて、スパイクに泥が付いたのがわからなかったものと思われます。
 これに対してユンジェ選手は、肥後選手に日本語で「ありがとう」と返事すると、自分のバッグから白いタオルを取り出し、再びグリーン上に戻り、ピン付近に付いたスパイクの泥を一つ一つ丁寧に、タオルで取り除き始めたのです。それまで、ユンジェ選手の前にプレーした選手のうち、4名の選手がグリーンをオーバーし、ユンジェ選手と同じように土の上でプレーしましたが、その選手達はそのままプレーし、次のホールへと進んで行きましたので、グリーン脇で見ていたギャラリーの人達も思わず、そのユンジュ選手の行動を黙って見ていたのです。
 ユンジェ選手は、自分が歩いた後のグリーン上に付いた泥をタオルで一つ一つ丁寧に取り除いた後、ピンの周りの木の葉や他のプレーヤがつけた泥もタオルで綺麗に取り除いたのです。すると、この行為を一部始終じっと見つめていた約300名からのギャラリーからは、いっせいに拍手と「ナイスプレー」という歓声が起こったのです。この1番のグリーンでは、宮里選手、諸見里選手、横峰選手の3名がバーディーを取り、ギャラリーからは、大きな拍手と「ナイスプレー」という歓声が挙がりましたが、私には、ユンジェ選手のときのプレーの方が、より大きく感じました。
 もし、私達がユンジェ選手の立場だったら、おそらく自分が歩いた後の泥を手で掴み、捨てるぐらいがしても、タオルで丁寧に取り除くことまではしないだろうと思います。多くのギャライーの前で、こともなげにこのような行為を行ったユンジェ選手には、もし、「ナイスプレー賞」があるとしたら、是非贈呈したいものです。