遮断機
11月27日の深夜、東京都内の踏み切りで発生した電車と乗用車の衝突事故では、幸い怪我人はいなかったものの、乗用車がメチャメチャに壊れたほか、電車も脱線し、そのため、復旧に相当時間がかかり、ダイヤが平常に戻ったのは、翌28日の昼頃でした。この事故は、28日の早朝にはテレビで放映されましたが、発生場所が東京都内で、しかも怪我人がいなかったことから、当校でも、この事故に関する詳しい内容を知っている職員は少ないものと思われます。実は、私もそのニュースは、28日の早朝、テレビで見ましたが、詳しい内容は報道されなかったので、特に関心はなかったのです。
ところが、29日の新聞を見たところ、その事故の内容が詳しく掲載されており、その内容から、初心運転者の教育を行っている指定自動車学校としては、見逃すことの出来ない事故でした。
その事故は、新聞に掲載された記事によりますと、平成18年11月27日の午後11時20分頃、東京都杉並区下高井戸の京王線下高井戸駅~桜上水駅間の踏切内で、新宿発高幡不動行きの下り普通電車(8両編成)と乗用車が衝突したものです。警視庁などの調べによりますと、この事故で電車の先頭車両が脱線し、乗客1,200人が車両から避難したそうですが、怪我人はいなかったということです。もし、電車が脱線した後、転覆したりしていれば、大惨事になりかねない事故だったということです。事故の原因は、高井戸警察の調べによりますと、40歳代の女性が、事故の直前、乗用車を運転して踏切内に入ったところ、踏切を渡りきる前に遮断機が降りて立ち往生し、びっくりした女性は、車をそのままにして逃げたということです。
さて、万一、今回の事故のように踏切内で遮断機が降りてしまった場合、運転者としてはどのようにすべきかということですが、当校が使用している学科教本には、「万一、踏み切りの中で遮断機が降りてしまったら、車で遮断機を押して進めば、簡単に脱出できます。」と記載されており、指導員に尋ねても、学科教習の中では、教科書の通り指導しているということでした。おそらく、乗用車を運転していた女性も運転免許を取得したとき、この内容については自動車学校で習ったはずですが、電車が近づいたことを知らせる警報機が「カン、カン」となり、目の前の遮断機が降りて、車が進めなくなったことにビックリし、パニック状態になって車を放置したものと思われます。
JRの職員の話によりますと、JRや私鉄の踏切に設置されている遮断機の棹(さお)は、一般駐車場の出入り口に設置されている遮断機と違い、棹の部分は竹で製作されていますから、遮断機の棹を車両で推し進めていけば、棹は遮断機本体から外れる構造となっているので、容易に脱出できるということでした。
車を運転していて、滅多にこのような場面に遭遇することはないわけですが、いざ、遭遇すると、誰でも頭の中が真っ白になり、あわてて車を踏切内に放置することがあるわけです。従って、指導員の皆さんは、今回の事故を教訓とし、遮断機の仕組みと、棹の部分は車で押すと簡単に外れることを、生きた事例として教習生の皆さんに是非紹介して下さい。






