人間は50歳を過ぎると、若い時と違って段々「敏捷性」が失われるようになるそうですが、当校で行われている高齢者講習を見学していると、それが実感出来ます。高齢者講習においては、トレーチャー(模擬運転装置)」を使って適性検査をしますが、障害物が画面に出てきた場合、素早くハンドルを切って衝突を避けなければならないのに、ほとんどの受講者が反応が遅れて障害物に衝突し、「ピイ、ピイ」という衝突音が鳴り響くのです。本人はこんなはずではなかったという感じで、首をひねりながら、再度挑戦していますが、やはり結果は同じのようです。それだけ、ご本人が気づかないうちに身体能力が衰え、「敏捷性」が失われているものと思われます。
また、高齢者がつまずいて転倒し、手足を骨折した事例をよく聞きますが、専門家の話によると、「転倒」と「敏捷性」は大いに関連性があるということですが、先日の朝、散歩中にラジオで聞いた「敏捷性を高める体操」の話は、とても参考になりました。
話をされていたのは、中京体育大学の湯浅景元先生でしたが、先生は、フイギィアスケートの安藤美姫選手や浅田真央選手のメンタル面を担当するメンバーの一人ですが、 湯浅先生が勧める「敏捷性を高める体操」とは、次の三つで、特に高齢者が出来る簡単な体操でした。
その一つは、椅子に腰掛けたままで、足を床にステップする体操ですが、運動の時間は3秒です。ラジオで聞こえる先生の声を聞いていると、実にリズムカルでしたが、散歩が終わり、自宅に帰っていざ自分でやってみると、最初の頃は、3秒間の間に約10回位しか出来ませんでした。しかし、毎日少しづつやっているうち、今では、その回数も15回位出来るようになりました。この体操のミソは、3秒間を一区切りにするということでした。それは10秒間にすると、高齢者にとっては運動量が過多になり、すぐ飽きられからで、3秒という時間が最も適切な時間だそうです。
その二つは、二人一組になり、一人の人が「右」「左」と言えば、相手の人は、言われた方の足をその場でステップする体操です。この体操は、最初はゆっくりやり、慣れて来たら、どんどん早く行ってやるのがコツだそうです。
さらに、もう一つは、名刺拾い体操です。これは、名刺を片手で掴んで目の高さの所から落とし、名刺が地面に到着するまでに拾う体操です。これは一見やさしそうに思えますが、自分でやってみると、なかなかうまくいきません。名刺が手から離れた途端、ヒラヒラとは落下せず、微妙に不規則な回転をするからです。私が10回やって2回位しか掴めませんでしたので、当校の若い職員の人に実験してみたところ、うまくいっても約5割のようで、かなり難しい体操のようです。また、高齢者講習の際、受講者の人にやってもらっていますが、なれないせいがあるかも知れませんが、ほとんどの方が掴むことが出来ないようです。湯浅先生の話によると、この体操は、脳と手足を結ぶパイプが、加齢とともに段々錆付いて来て、反応が鈍くなるので、これを取り戻すために行うもので、落下する名刺を全部拾うことが出来なくても、この体操の効果はあるのだそうです。
これらの体操は、継続してこそ効果が現れるそうですから、職員の皆さんも、「敏捷性」がまだ残っている今から、少しづつやってみたらどうでしょうか。
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