校長のひとり言ブログ|都城自動車学校

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焦点

 私達は、普段行動しているとき、車や景色など目に入る物全てについて、常に「焦点」を合わせて見ているわけではなく、必要が生じた際、大脳の指令によって「焦点」を合わせる仕組みになっているそうです。普段はボンヤリ見ているということですが、そう言われてみれば、散歩や車を運転しているとき、信号機や他の車の動きは見ていますが、はっきりは見ていないようです。また、この「焦点」を合わせるのにも、若い人と高齢者と比べてみると、はっきり時間的な差があるそうです。つまり、人間は年を取ってくると、段々、「焦点」を合わせるのに時間がかかるということですが、最近そのことを実感するような事例がありました。
 それは、先日の日曜日、自宅近くのゴルフ練習場に行き、練習が終わって駐車場に停めていた車のトランクにバッグを入れていた時のことです。何気なく駐車場内を見ていたところ、約10メートル先にゴルフバッグを担ぎ、これから練習場に入ろうとしている男性の姿が目に入りました。「焦点」を合わせてよく見ると、それは、私より年齢が1歳下で、かって同じ職場で一緒に働いたことのあるYさんのようでした。その男性は私の方をチラッと見た際、私の目と合った気がしましたので、当然私の存在に気が付いたものと思ったのです。しかしながら、その男性は、再び視線を練習場の方に向け、歩き始めましたので、私は人違いだったのかと思ったのです。
 ところが、その男性が私の5メートル先まで近づいたとき、再びその男性を見たところ、5年振りに合ったとはいえ、顔形や体つきからまぎれもなく、その男性はYさんに間違いありませんでした。そこで、私は「Yさん」と声をかけたのです。すると、その男性は私の声が聞こえたのか、私の方をじっと見つめており、「誰だろうか」というような素振りをしていました。その間、約2秒位してから、やっと顔に笑みが浮かび、「アラ、谷口さんな。誰かと思っちょった。」という声が返ってきたのです。おそらくその間、「焦点」を合わせていたものと思いますが、それだけ年齢を重ねてくると、「焦点」を合わせる時間がかかるということがわかった次第です。
 さて、高齢者の交通事故の形態で多いのが「出合い頭事故」ですが、その事故の原因と「焦点」はどうも関連がありそうです。それは高齢者運転の車が「出合い頭事故」を起こした場合、殆んどの高齢者が「左右を見たけど車の姿は見えなかった。」と供述しているそうです。おそらく、その高齢者は、交差点に差し掛かった際、自分では左右の車の存在を確認したつもりが、実は確かに目だけは見たものの、「焦点」を合わせないまま、チラッと見ただけで、交差点に入ったものと思われます。それを証明するように、高齢者講習を受講される方の運転振りを見ていますと、交差点における左右の安全確認に要する時間が、若者と同じ位短いのです。若いときはそれでも良かったわけですが、年を重ねてくると、「焦点」を合わせるのに時間がかかるということを本人が全く気づいていないようです。
 我が国も高齢者社会に突入し、これからは益々高齢者ドライバーが増加していくわけですが、指定自動車学校でも早期に、高齢者講習の際、「焦点」に関する実験を行ったり、ビデオを作製して受講者に理解をしてもらうことが必要になってきているようです。

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2007年04月02日 10:13に投稿されたエントリーのページです。

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