近年、交通死亡事故は減少傾向を示し、平成18年中の全国の交通死亡事故は6,352人でしたが、依然として多いのは、若者による交通死亡事故です。それも運転免許をとったばかりの若者が運転する車が暴走し、反対車線に飛び出して対向車と正面衝突したり、壁や電柱等に衝突し、乗っていた全員、あるいは数人が死亡するという悲惨な事故が発生しています。このような事故は私が知る限り、毎年5件以上発生していますが、今年も既に、茨城県、山口県、島根県、北海道等で発生し、先日もまた同じような事故が発生しました。
その事故は、9月15日(土)の午後11時半頃、香川県の観音寺市内の国道上で発生したものですが、報道によると、18歳の会社員が運転する普通乗用車が反対車線に飛び出して対向車の普通乗車と正面衝突したということです。この事故で、18歳の会社員(男性)が運転する普通自動車には、運転手を含め5人が乗っていましたが、運転手と、後部座席に乗っていた18歳の専門学校生(男性)、18歳の会社員(男性)、19歳の大学生(男性)の合わせて4人が全身を強く打って死亡し、助手席に乗っていた18歳の会社員(男性)と対向車の普通乗用車を運転していた人が腰の骨を折ったり、足を骨折する等の重傷を負ったということです。現場は、愛媛県に近い片道1車線の見通しの良い直線道路で、18歳の会社員の運転する車が反対車線に飛び出していることから、地元の警察では、飛び出した原因を調査中ということですが、運転していた18歳の会社員は、本年2月に運転免許証を取ったばかりの初心運転者だったということです。
これらの若者、それも初心運転者が引き起こす交通死亡事故を調べてみますと、次のような4つの共通する特徴点があることがわかりました。その一つは、事故の発生時間がいずれも深夜に発生しているということです。その時間は午後11時から翌朝の午前6時ごろまでの間にほとんどの事故が発生しています。そして二つは、事故の原因はほとんどが速度の出し過ぎということです。今回の香川県の事故も現在調査中ですが、テレビで見た限りでは、現場にはブレーキ痕がなく、反対車線に飛び出した車はメチャメチャに壊れているところから、相当のスピードを出していたものと推察されます。
次に三つ目は、車を運転していた目的ですが、仕事で車を運転していたわけでなく、ほとんどがドライブ中の事故だということです。さらに四つ目の共通点は、事故を起こした車に乗車しているメンバーです。今回の香川の事故でも、運転経験の浅い人達だけで乗車しており、そうなると、どうしても運転する人は、自分の運転振りを見せびらかせようとして速度が超過し、危ないと思ったときはハンドル操作が出来なくなって、反対車線に飛び出したり、壁や電柱に衝突したりするといった結果になっています。従って、運転経験の少ない者同士でドライブすることは、このような危険を伴いますので、ブレーキ役をする経験者を同乗させておくことが大切なのです。また、運転免許を取ったことがわかると、先に免許を取った友達等が夜間ドライブに誘いに来ることも十分予想されますから、安易にその誘いに乗ることのないよう、指導してやることが必要です。
これらの若者による事故を防ぐためには、教習の段階で、速度を出し過ぎた場合の危険性、そして危険な行動がもたらす結果の重要性について、教習生自身に十分認識させてやることが大切であり、それだけ指定自動車教習所の果たす役割が大きくなってきていますから、指導員一人一人が我が身のこととして受け止め、真剣に取り組んで欲しいものです。



