日本国内には色々な野鳥が住んでいますが、なかなか人間にはなつかないようで、人間から手渡しで餌をもらい、食べる鳥は見たことがありません。しかし、先日テレビに出ていた鳥にはビックリしました。この鳥は、宮崎では良く見かけるシラサギと同じコウノトリ目・サギ科に属するアオサギという鳥です。体長が約1メートル位になり、サギ類の中では最も大きな鳥だそうです。普段は沼や川等の水辺に住み、主に小魚やミミズ等を食べている鳥ですが、テレビに映し出されたアオサギも、普段見慣れているシラサギよりやや大きく、空を飛んでいる様は、まるで、白鳥といった感じでした。
そのアオサギですが、名前からして羽根が青色と思っていたところ、そうではなく、身体全体は灰色となっている鳥です。アオサギは、動物園で飼育している人の話によると、他の鳥に比べて警戒心が強く、従って動物園でも、人間が手渡す餌を食べるといった光景は見られないそうです。しかし、画面ではアオサギが大きな羽を広げ、やがて在る家の屋根に下りてくると、「ガアーチャン、よく来たね。ほら、ここにあんたの好きな魚があるよ。早く降りておいで。」と呼びかける大きな声が聞こえて来ました。呼びかけていたのは60歳代の女性でしたが、この呼びかけに対し、屋根に止まっていたアオサギは、女性の方を見ながら首を傾げたりしていましたが、やがて、「ガアー」というアオサギ独特の鳴き声を出して飛び上がり、女性のすぐ近くの広場に降りてきたのです。そして、驚いたことには、女性が「お腹がすいただろう。ほらあんたが好きな魚よ。」と言いながら、手に魚を掴みながら近づくと、アオサギはくちばしを大きく広げ、パクリと小魚を食べてしまったのです。また、その女性が買い物に行く様子がありましたが、屋根に止まっていたアオサギはじっとその車を見送り、やがて車が帰ってきて、女性が「ガアーチャン、さあ、降りておいで。魚を買ってきたよ。」と大声で呼びかけると、待っていましたとばかり、飛び上がって女性の傍に降りてくるや、手渡しで餌をもらい、おいしそうに食べているようでした。その間、女性はアオサギに向かって、絶え間なく話しかけ、もちろん人間が話す言葉ですから、アオサギには通じないと思っていましたが、それでもアオサギは、餌をもらうたびに「ガアー」と鳴いているところを見ると、ひょっとしたら、女性とアオサギの間には、特有の「会話」が通じているのかも知れません。
さて、「会話」と言えば、私の近所に70歳代の女性が独り暮らしをしていますが、その女性は猫が大好きなようで、一見野良と思われる猫達が餌をねだりに来ると、その猫達に餌をやっています。先日も早朝、私が庭の草取りをしていると、近所から「○○ちゃん、いらっしゃい。ごはんですよ。」という女性の声が聞こえました。すると、それに応えるように「ニャーン、ニャーン」という猫の鳴き声が聞こえてきたのです。草取りの手を休め、立ち上がってその様子を見たところ、白い猫が1匹、そして黒い猫が2匹の合わせて3匹が、女性の周りに集まっているようでした。女性が餌を盛った皿を庭先に置くと、待っていましたとばかり、猫達は餌を食べ始めましたが、女性はその間、猫達に向かって「そんなにあわてなくてもいいよ。ゆっくり食べなさい。」と、まるで自分の子供に言い聞かせるようにしゃべっているのです。当初、私は「人間の言葉が猫にわかるものか。」と思っていましたが、猫達は女性が声をかけるたびに、餌を食べながら尻尾を動かしていましたから、おそらく女性と猫達の間には、「会話」がなされているものと思われます。
最近の世情を見ると、人間の世界では、「会話」が通じない人が多くなり、これが原因で犯罪が発生したり、とにかく住みにくい世の中になっているようですから、アオサギや猫達のように、積極的に「会話」に応じて欲しいものです。






