私方は灯油を使用して風呂を沸かしていますので、20日に1回の割で、近くのガソリンスタンドで灯油を購入しています。11月末の夕方でしたが、灯油を購入するため、スーパーから買い物の帰り、ガソリンスタンドに立ち寄ったのです。そのガソリンスタンドはセルフ式になっており、かれこれ1年位前から利用していますから、灯油の購入方法も知っていますので、いつものように、18リットル分の代金1,500円を機械の中に入れ、持参したポリ缶に灯油を入れようとしていたところ、若い男性店員が私の方に走り寄ってきて、「大丈夫ですか」と声をかけてきたのです。これまで何回か灯油を給油していますが、これまで1回も店員の手助けを受けて給油したことはありませんでしたから、この店員の声かけには、一瞬戸惑い、「うむ、俺を年寄り扱いにするのか」と思ったのです。そのときの私の服装はジャージー姿で、頭には白いものが目立ちますから、てっきり、店員が私をセルフ式に慣れていない「年寄り」だと判断したものと考えたのです。
そこで、私は「いつもここで給油しているから大丈夫だよ。」と返事したのです。すると、店員は私のポリ缶を見て、「新しいビニール袋に変えましょうか」と言い出したのです。店員の手を見ると、新しいビニール袋を持っており、私が持参したポリ缶を包んでいたビニールは、ところどころ破けていましたから、その場は店員の好意に甘え、交換してもらったのです。さらに店員は、「ご自宅には他にポリ缶をお持ちですか」と尋ねてきたのです。私は灯油を給油しながら、何故そのような質問をするのかが理解出来ませんでしたから、黙っていたのです。すると、店員は「12月から灯油のお値段が、1リットル当り10円ほど値上がりしますよ。貯め買いをされませんか」とポリ缶の購入を誘ってきたのです。そこで、わざわざ店員が私の傍に寄ってきた理由が、ようやくわかったのです。店員は、私を「年寄り扱い」したのではなく、ポリ缶を売るためにわざわざ私に近づいたというわけだったのです。
その様子を妻は車の中から見ていたのでしょう、灯油の給油が終わり、私が車に乗り込むと、すかさず「今日はなぜ店員が出て来たのだろうか。今まで1回もこんなことはなかったのに。ひょっとしたらお父さんを年寄りと思ったのでは?」とニヤニヤしながら聞いてきたのです。そこで私は、「最初は年寄り扱いかなと思ったが、話を聞いてみたらポリ缶を買ってくれということだった」と説明し、かろうじて私の面子を保ったという次第です。私も66歳になりましたが、気持ちとしてはまだ若いつもりでいますから、もし、赤の他人から「おじいちゃん」と呼ばれたり、「年寄り扱い」をされたら、たちまち嫌な気分となることと思います。
さて、当校では、公安委員会の委託を受けて70歳以上の人に対する高齢者講習を行っていますが、受講者は70歳代から90歳代までと幅が広く、中には、誕生日前の69歳の受講者も見受けられます。そのような人に、もし「おじいちゃん、おばあちゃん」と声をかけたりしたら、相手の方はどういう気持ちになるでしょうか。69歳といえば、見た目にも元気な方もいますし、なんといっても、まだ自分は若いのだという気持ちの人が多いわけですから、たちまち、「何、俺を年寄り扱いするのか」と怒られるに決まっています。毎回の高齢者講習を見ていますと、受講者は多いときで12人位、少ないときは3人位ですから、講習を担当する指導員は、早目に受講者の名前を覚え、適性検査や教習指導する際は、必ず、受講者の名前を呼ぶようにしましょう。また、他の職員も決して「年寄り扱い」をしないよう、細心の注意を払って応対してください。






