校長のひとり言ブログ|都城自動車学校

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バック・シャン

 私は都城自動車学校までの通勤途中、電車の中で小説を読むのを楽しみにしていますが、先日、読んだ小説に「仮面の女」という作品がありました。その小説の主人公は、一流会社に勤める独身のOLで、入社以来、会社では独身男性のほか、上司の男性にも声を掛けられたことは一度もありませんでした。それは、その女性はスタイルも良く、後姿は美人なのですが、何しろ鼻が低く、おまけに目が細いときていますから、お世辞にも美人とは言えない容姿だったのです。そこで、自分の容姿に悩んだ主人公が、一念発起して会社を辞め、退職金をはたいて整形手術をしたところ、鼻が高く目が二重の絶世の美人に変身し、再就職した会社では、男性から次々に声を掛けられるようになったのです。やがて、会社の上司の紹介で、酒屋の御曹司と見合いしましたが、相手は、若い時、俳優を目指していたこともある男性とあって、目鼻立ちもはっきりしたいわゆるハンサムであり、女性とすれば理想とする相手でしたから、即座に承諾して結婚したのです。
 ところが、美男美女の二人の間に産まれた女の赤ちゃんは、両親とは似ても似つかぬ鼻がぺちゃんこだったのです。主人公は赤ちゃんの容姿が自分の小さい頃とそっくりなので、整形したことを悔やみ、夫に真実を打ち明けようとしたところ、夫の方から「すまない。実は俳優を目指していたとき、顔を整形した。子供の顔は俺の小さい頃とそっくりだ。」と詫びたということです。二人とも実は整形していたわけですが、主人公の女性は、夫が先に整形したことを認めたので、自分の整形のことは生涯黙っていたということです。げに強かなのは女性だということです。
 その小説を読んでから数日後、自転車でJR宮崎駅まで通勤途中、ふと前方を見ると、歩道上を私と同じ方向に歩いて行く若い女性の後姿が目に入りました。その女性は、黒い髪の毛が肩付近まで垂れ下がり、足も細く、まるでモデルみたいな歩き方をしていましたから、どんな顔の女性かなと考え、その女性の左側を追い越すとき、チラッとその女性の顔を見たのです。すると、その女性は、私の期待に反してモデルとは程遠い、鼻は低く、お世辞にも美人とは言えない、いわゆるブスだったのです。その瞬間、私の頭の中にひらめいたのは、小説にあった「後姿の美人」つまり「バック・シャン」という言葉でした。「バック・シャン」とは、後姿が美人の女性のことを指しますが、久方ぶりに思い出した言葉でした。
 そこで、職員の人に「『バック・シャン』を知っている?」と聞いてみたのですが、反応は鈍く、初めて聞いたという人が大半で、唯一、大渡副校長だけがその意味を知っていたのです。私達の年代では良く使った言葉ですが、若い年代の人が知らないところを見ると、ひょっとしたら「バック・シャン」という言葉は「死語」ではないかと思い、早速調べてみたところ、「外来語ではなく、日本で造られた造語」ということでした。バックは英語で「後ろ」、シャンは、もともとドイツ語の「シャーン」の「美しい」で、二つの言葉がくっつき、最初は「バック・シャーン」でしたが、その後なまって「バック・シャン」つまり「後姿美人」となったということです。その意味は「後姿は美しいが、前から見れば不細工な女性」という意味になるということです。
 もし、職員の皆さんが街角で後姿の綺麗な女性を見かけた場合は、この「バック・シャン」という言葉を思い出してください。ただし、くれぐれも追い越して女性の顔を見たとき、たとえ想像外であっても、言動には十分注意しましょう。

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2008年01月07日 10:43に投稿されたエントリーのページです。

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