人生60年を越えると、身体にいろんな変化が出てきます。その一つに睡眠があります。それは、若い頃は一旦眠りに就いたら、朝までぐっすり眠り、途中で目が覚めるということはまずなかったのですが、最近はそうでもなくなりました。先日の木曜日も真夜中に目が覚めたので、時計を見たところ、午前4時を少し回っていました。そのまま眠ると寝過ごすと思ったので、いつもの習慣で、ベッドの枕元においてあるラジオのスイッチを入れたのです。丁度、その時間帯は、女性アナウンサーがディスナーからの便りを読み、リクウェストに応じて演歌やポップスなどの曲を流す番組でしたので、ベッドに入ったままその番組を聴くことにしたのです。
その中で、男性からの便りで、「私は64歳、妻は60歳です。現在二人とも仕事はしていませんが、私自身は、妻想いだと自負しています。しかし、大橋純子さんの『シルエットロマンス』を聴くと、今でも頭がクラッとし、胸がドキドキします。是非、この曲をお願いします。私にとって、大橋純子さんは『ひいきの歌手』です。」というのがありました。私も大橋純子という名前を聞き、20年位前テレビで見たことのある、ショートカット姿を思い出しましたが、残念ながら「シルエットロマンス」という曲は記憶にありませんでした。しかしながら、「今でもこの曲を聴くと、頭がクラッとし、胸がドキドキします。」という便りを聴き、布団の中で思わずニヤリとしたのです。実は私にもひいきにしている歌手が二人あり、その歌手の声を聴くと、今でも、初恋にも似た、それこそ、「頭がクラッとし、胸がドキドキ」することがあるのです。
その一人は、「園まり」という女性歌手です。「園まり」は、伊藤ゆかりや中尾ミエと一緒に、昭和40年代の前半、三人娘として活躍した歌手のうちの一人ですが、色白で丸顔のポチャッとした顔つきでした。その「園まり」が、甘ったるい声で歌うのをテレビやラジオで見たり聴くと、それこそ、「頭がクラッとし、胸がドキドキ」したのです。当時私は結婚したばかりでしたが、わざわざ「園まり」が歌うレコードを買い求め、休みの日は、独身時代から持っていたステレオで、「逢いたくて、逢いたくて」等のヒット曲をウットリと聴いていましたが、当時は新婚だった妻に、随分恨まれたものです。
もう一人は、「みもりん」こと「水森かおり」です。「水森かおり」は「ご当地ソングの女王」として、現在、紅白歌合戦に常連メンバーとして出場していますが、平成14年に彼女が歌う「東尋坊」を始めて聴いた時、「園まり」の時以上に「頭がクラッとし、胸がドキドキ」としたのです。ドレス姿で、しかも歌のサビのところでは、悲しげに何かを訴えるような眼差しとこぶしの聞いた伸びのよい声を聴くと、それこそウットリとなったのです。
それからは、私にとっては、「水森かおり」は「ひいきの歌手」となったのですが、その後の彼女の活躍ぶりを見ますと、「鳥取砂丘」、「釧路湿原」、「五能線」、「熊野古道」、そして昨年は「ひとり薩摩路」と全ての曲がヒットしており、今や日本を代表する女性演歌歌手の一人と言っても過言ではないようです。その中でも「五能線」の「みちのく五能線 窓いっぱいに日本海」と競り上がって行くところは、何度聴いてもウットリし、「頭がクラッとし、胸がドキドキ」する場面で、私にとって最も幸せな時間となっています。






