高齢者のドライバーが高速道路を逆送する事故が各地で相次ぎ、死傷者も出ていますが、逆送した本人に聞いてみると、「高速道路を走った記憶がない。」と話し、家族も本人が認知症の治療を受けていたと説明したということです。このように認知症が原因と思われる交通事故が多発傾向にありますが、最近私も、ひょっとしたら、認知症が入っているのではないかと疑われるようなドライバーを見かけました。
それは、サイクリング中に見かけたものですが、信号機のある交差点に差し掛かったところ、赤でしたので、しばらく待つことにしたのです。その交差点は県道と町道が交差する道路で、町道から進行してくると、左側車線は2車線あり、歩道側の車線は直進と左折、中央線側は右折とそれぞれ道路標示されている所で、右折車線には5台位の車が信号待ちをしている状態でした。しばらくすると、右後の方から、女性の声で「じいちゃん、あんたどこに車を停めると。ここは右側じゃが。」という叫び声が聞こえてきたのです。あまりにもその声が大きかったので、声のする方向を見たところ、1台の軽トラックが右折車線の右側、つまり、反対車線に堂々と停止していたのです。その交差点は、町道側から見ると一方通行ではないので、当然、右折車線に停止しなければならないのに、何を勘違いしたのか反対車線にはみ出して停止していたわけです。すると、再び助手席に乗っていた奥さんと思われるおばあちゃんが、「ここは右側じゃがね。向こうから車が来たらどんげすっと。まこち、おじいちゃんはバカじゃがね。」という強烈な宮崎弁丸出しの罵声を運転席のご主人に浴びせたのです。 すると、案の定、県道から左折して来た車がありましたが、その車の運転者も目の前に車が止まっているのを発見し、クラクションを鳴らしたのです。奥さんの罵声と車のクラクションの音にびっくりしたのか、軽トラックはあわててバックし、危うく道路から飛び出すところでしたが、幸い縁石があったため、そこで停止することが出来、大きな事故にはならずにすんだのです。車には「もみじマーク」が付いており、運転席から降りてきたのは80歳位のおじいさんでしたから、上記のような運転振りから、「ひょっとして認知症では?」と思ったのでした。
さて、このような認知症ドライバーには、その予兆があるそうで、熊本大学の池田学教授の研究によると、その予兆は
○ 車に小さな傷が増える
○ 車庫入れに失敗する
○ センターラインをはみ出す
○ 話しかけると運転に集中できなくなる
○ 走行中に行き先を忘れて混乱する
○ 車間距離が短くなる
○ 交通―ルールを守ろうとしない
○ 走りなれた道でも悪天候や夜間に迷う
ということです。池田教授は、「家族が1ヶ月に1度は助手席に乗って様子を見るべきだ。少しでも不安を感じたら、警察か専門医に相談してほしい。」と説明していますが、高齢者講習や相談を受けたときに役立つと思いますから、是非この予兆を知っておいてください。






