私のゴルフ仲間にMさんという人がいます。Mさんは、どちらかといえばゴルフよりバードウォッチングの方が好きなようです。というのは、グリーン上で私達が次のパターはどのようにして打とうかと全神経を集中しているのに、Mさんは、近くの山から聞こえてくる鳥の声に耳を澄ませているといった具合で、「Mさん、次はあんたの番よ。」と同伴者から促されることがしばしばあるからです。
そのMさんと5月の第4土曜日にプレーしたときのことです。私がメンバーとなっているそのゴルフ場は、宮崎市内の郊外の丘陵地にありますので、鳥の声を聞くことがしばしばあります。そのときも、前の組がプレー中だったので、ティーグランド付近で待っていますと、近くの山から「ホーホケキョ」というウグイスの鳴く声が聞こえてきました。すると、間を置かずにその近くから「キョッ、キョッ、キョ、キョ、キョ」という、けたたましい鳥の鳴き声が聞こえてきたのです。私はその鳴き声を聞いた瞬間、「ああ、ホトトギスだな」とわかりましたが、Mさんは、「ウグイスも馬鹿じゃ。」とつぶやいたのです。私達はその意味がわからずポカンとしていると、Mさんがその意味を説明してくれました。
それは、ホトトギスは、自分で卵を孵化することはせず、ウグイスなどの巣に托卵する習性がある鳥なので、ウグイスが鳴けば、たちどころに巣のありかがわかりますから、ホトトギスはその巣に托卵することが出来るからです。しかしながら、ウグイスはそれとは知らず、縄張りを主張するため、精一杯鳴いているというわけです。Mさんの話によると、ホトトギスは、ウグイスの巣に自分の卵を産み、やがて孵化したホトトギスの雛は、同じ巣の中にあるウグイスの卵を巣から落とす習性があり、それとは知らないウグイスは、せっせと餌を巣に運び、ホトトギスの雛を育てるのだそうです。ウグイスから直接聞いたわけではありませんが、ホトトギスは、ウグイスよりはるかに大きくなりますので、育てるうちに、「おかしいな。」と思いながらも、雛が巣立ちするまで餌を運ぶのだということです。他の鳥の卵を自分の卵と思って育てるウグイスは、考えてみれば、一寸おバカさんのようですが、これも自然界の習性なのでしょう。
さて、このホトトギスは、万葉集にも書かれているように、昔から日本では夏の季節の到来を告げる渡り鳥として知られており、通常はインドから中国南部で越冬し、5月の中旬ごろ、日本にやってくる鳥です。他の鳥より渡来時期が遅いのは、托卵の習性のため、ウグイスなどの鳥の繁殖が始まるのに合わせることと、食べるものが毛虫類であるため、早春に渡来すると餌にありつくことが出来ないためといわれています。また、ホトトギスといえば、鳴かないホトトギスについて、戦国時代の天下人はどうするかで、その性格を後世の人が言い表しており、織田信長は、「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」、豊臣秀吉は、「鳴かぬなら鳴かして見せようホトトギス」、徳川家康は、「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」と詠んだと伝えられていますが、正しくは、江戸時代後期の平戸藩主松浦清が書いた随筆「甲子夜話」の中にある川柳だそうです。
自分で育てず、他の鳥に育てさせるホトトギスのやり方は、必ずしもフェアではありませんが、古来から日本に渡って来る鳥であり、しかも自然界の掟とあれば、いたし方のないことだと思っているところです。
校長のひとり言ブログ|都城自動車学校
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