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校長のひとり言ブログ

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グレア現象

 指定自動車学校においては、第2段階の項目8「悪条件下の運転」の夜間運転の中で、「グレア(蒸発)現象」について教えていますが、このグレア現象とは、夜間に車を運転しているとき、自分の車のライトと対向車のライトで、道路の中央付近の歩行者や自転車の姿が見えにくくなったり、場合によっては、完全に見えない状態になることを指します。
 私がこの「グレア現象」のことを知ったのは、今から約17年位前の平成3年頃です。その当時、宮崎県内でも、夜間事故、特に歩行者が、道路を横断中にはねられる事故が多発傾向にあり、将来の交通事故防止対策として、夜間事故の防止が最大の課題になるだろうと予想されたのです。そこで、その事故分析をして見ますと、被害の歩行者の大半は、65歳以上の高齢者で、しかも横断中の事故が大部分を占めていました。また、被害者の服装も、年間を通じ、ほとんどが黒っぽいものというものでしたので、ドライバーがいち早く自転車や歩行者の姿を発見しやすいように、自転車に反射材を取り付けたり、歩行者の足元、特に靴やズボンに反射材を取り付ける啓蒙活動を展開したのです。 その中で、夜間事故の原因と見られるものとして「グレア現象」があるということを知り、早速資料を取り寄せ、宮崎市内の指定自動車学校の協力を得て、ナイトスクールを開催し、「グレア現象」はどのような状態のとき発生するかを実験してみたのです。
 ナイトスクールでは、まず、横断歩道の手前に車を止め、ライトを点灯させた状態にして、その前を歩行者が横断する実験を行ったのです。すると、歩行者がライトをつけた車の前に来ると、対向する車のライトにより、歩行者の姿の下半身はかすかに見えますが、上半身は消えてしまって全く見えないのです。次に、双方の車の間隔を約30メートルにし、対向する車のライトをつけたままの状態で、雨天時を想定してゴムホースで双方の車の間に放水すると、中央線上に立っていた人の姿が見えづらくなったのです。さらに、その状態から対向車のライトを上向き、つまりハイビームにすると、対向車のライトに幻惑され、横断歩道上の歩行者の姿が完全に見えなくなったのです。これが、いわゆる「グレア現象」ですが、この実験の結果、雨が降っている夜間、それも舗装道路で、対向車のライトがハイビームという条件がそろうと、「グレア(蒸発)現象」が発生することがわかったわけです。
 このほか、そのときのナイトスクールでは、夜間の交通事故で、何故、車側から見て右から左に道路を横断中の事故が多いのかも実験してみました。ドライバーには、あらかじめ、歩行者の姿が見えたときは、クラクションで合図をすることを決めて実験したところ、左から右に横断する歩行者の姿は、意外と早目に発見できました。しかし、右から左に横断する歩行者は、どのドライバーも、道路の中央部まで進まないと発見出来なかったのです。この原因は、保安基準により、車のヘッドライトの照射方向は、対向車のライトに幻惑されるのを防ぐため、やや左になっており、そのため、ドライバーの視線もその方向を向いているので、右側から横断する歩行者は発見できにくいということもわかりました。
 ドライバーとして、夜間事故を防ぐには、「グレア現象」は当然知っていなければならないことですから、教習中にしっかり指導していただくようお願いします。