校長のひとり言ブログ|都城自動車学校

« ボンヤリ運転 | メイン | 化粧運転 »

相手の立場

 月曜日から金曜日までの午前5時25分からの民間放送に、「心のいこい」という番組があります。この番組は、ある宗教団体が布教活動の一環として、朗読やミニ劇を放送しているものですが、放送時間が約5分と短く、次が生島ヒロシの「おはよう一直線」なので、仕方なしに聞いているというのが本音です。しかしながら、先日の朝聞いた「相手の立場」というタイトルの放送は、なかなか味のある内容でした。
 それはミニ劇で行われたもので、中学3年になる妹が高校生の兄に自分の悩みを相談するものでした。妹の香織さんは、中学生になると同時にバスケット部に入り、現在選手として厳しいトレーニングを続けていますが、ある日、放課後の練習で、定められた集合時間に約10分遅れて参加したところ、同じバスケット部のキャプテンをしている小百合さんから、「選手たるものが、集合時間に遅れたら駄目じゃないの。弛んでいるんじゃない。」とこっぴどく言われたそうです。小百合さんとは、家が近所とあって、幼稚園時代から大の仲良しで、小学校のときも同じクラス、そして中学校でも同じクラスという仲なのです。相談というのは、大の仲良しと思っていた小百合さんから、たまたま集合時間に、それも10分遅れただけで、思いもかけない罵声を浴びせかけられたのがショックで、「今まで、信頼のおける友達と思っていたが、もう小百合とは絶交よ。」というのが相談内容でした。
 これに対し、妹の言い分を聞いていた兄が、「それじゃ一寸尋ねるが、香織は、自分の立場だけしか考えていないようだが、小百合さんの立場を考えて見たことがあるのか。」と質問すると、妹は兄の言葉にびっくりして、考えたことがないと答えたのです。すると、「香織、よく聞くのだよ。小百合さんは、バスケのキャプテンだ。そのキャプテンは、部をまとめるためには、時にはきついことを言わなければならない。放課後の練習時間はあらかじめ決められており、これを守らない人に対し、キャプテンとして注意するのは当然で、遅刻した人が親友だからという理由で見逃したとしたら、部の規律はどうなる。おそらくバラバラになり、まとまらないよ。小百合さんも、心の中では、きっと、香織にすまないと思っているはずだよ。」と諭すと、妹の香織も、兄の言葉に納得し、「そうか、小百合の立場を考えなかった私の方が悪い、今から小百合に謝ってくる」と言って家を飛び出すシーンがあり、これで物語が終わったわけです。
 このラジオを聞きながら、私は教習生の皆さんが卒業時に書く「喜びの声」のことをふと思い出しました。この「喜びの声」は、卒業検定に合格した時の気持ちを書いてもらっているものですが、それを見ると、大半の人が「自分に免許が取れるか不安」という気持ちで自動車学校に入校していることがわかります。入校者の中には原付免許を持った人もいますが、ほとんどの方は、「ゴーカートや自転車も乗ったことがない」といった人達ですから、それも無理ないことと思います。そのような不安な気持ちで入校した途端、いきなり、その日から自分でハンドルを握るわけですから、おそらくどの生徒さんの心臓もドキドキといったところでしょう。このような不安な気持ちのとき、指導員から「誰でも最初からうまくいきませんよ。心配しないで」とやさしく声をかけられたらどうでしょうか。私がもし教習生だったら、「なんていい指導員だろう。」といっぺんで好きになり、その指導員の言うことなら何でも素直に受け入れようという気持ちになるはずです。
 従って、当校の指導員の皆さんには、常に教習生がこういった不安な心理状態にあることを考え、言動には細心の注意を払い、安全で安心な初心ドライバーを育ててもらいたいと切に願っています。

About

2008年08月25日 09:52に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「ボンヤリ運転」です。

次の投稿は「化粧運転」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。