乗り過ごし
私が都城ドライビングスクールに勤務するようになってから早いもので、9月で丸8年が過ぎました。その間、通勤する交通機関としては、JR宮崎駅と山之口駅間は電車を利用していますが、当初心配したのは、電車の中で居眠りし、降車駅である山之口駅を乗り過ごすのではないかということでした。事実、通い始めた頃、元吉副校長から、「以前勤務していた管理者が電車内で乗り過ごし、三股駅まで迎えに行ったことがあった。」ということを聞き、なおさらそう思ったのです。私の友人も、約20年前になりますが、会議があった宮崎市内で飲酒し、自宅がある延岡市まで電車で帰る途中に居眠りし、気づいていたときには大分県の佐伯市まで行ってしまい、あわてて下車してタクシーで延岡まで帰った失敗事例がありました。
そこで、乗り過ごしを防ぐためにはどうすればよいかを考え、思いついたのが「読書」だったのです。最初は、宮崎市内の県立図書館で小説を借りていましたが、図書館の小説が古く、興味あるものがなかったので、ブックセンターを利用することにしたのです。電車に乗っている時間は約50分ですが、その間は、小説に夢中になってしまい、おかげで、今まで1回も乗り過ごしたことはありません。
ところが、先日、私がいおつも利用する電車の客が居眠りしてしまい、降車するはずの駅を乗り過ごした現場を目撃したことがあります。それは、電車が青井岳駅に到着し、やがて、「ドアが閉まります」というアナウンスが聞こえてきた途端、私が乗っていた車両の前部からバタバタという走る音が聞こえてきたのです。何事かなと思い、読んでいた小説から目を上げ、車両の乗車口を見たところ、白いYシャツを着た男性があわてて降車したみたいでした。その男性を見た瞬間、私は「ああ、乗り過ごしたんだな」と思ったのです。というのは、その男性はいつも私と同じくJR宮崎駅から乗車しますが、降車する駅は、青井岳駅より一つ手前の田野駅だからです。年齢は40前後ですが、黒縁のメガネをかけ、いつも白いYシャツ姿ですから、おそらく事務関係の仕事をしているのではないかと思います。見ていると、その男性はあわてて電車を降りると、駆け足で私の座っている席の窓の横を通り抜け、後部車両に乗っている車掌のところに行き、何事か車掌と話している様子でしたから、乗り過ごしたことを説明しているものと思ったのです。
実はその男性には、乗り過ごす前兆があったのです。それは、9月にはいってから間もなくのことでした。朝、JR宮崎駅から乗車したところ、私のすぐ前の席にその男性が乗ったのですが、電車が田野駅に到着しても、その男性は降りる気配がないのです。どうして降りないのかなと思い、座席を立ち、前の座席の男性を見たところ、どうやら居眠りしていたみたいでした。そこで、「田野駅ですよ。ここで降りられないんですか。」と声をかけると、ハッとしたように顔を上げ、あわててカバンを持って降車口まで走り、無事電車から降りることが出来たのです。
その男性が乗りすごすのを目撃したのは1回ですが、私が利用する電車は2両編成ですから、おそらく、私が目撃した以外にも何回かは乗りすごしたものと思われます。乗り過ごしで失敗した友人の体験談によると、乗り過ごしは常習になり、なかなかその癖は直らないということですから、私としては失敗しないように、常に緊張感を持って電車に乗るように心がけているところです。



