携帯依存
最近、私が通勤に利用している電車内での女子高生の行動に一寸した変化が見られます。それは、数年前だったら、電車に乗り込むや否やたちまちおしゃべりする光景が見られましたが、2、3年前からは、先ず携帯電話を取り出し、次いで携帯電話とにらめっこでメールを打ち始めるのです。それが短時間なら良いのですが、目的地に電車が到着するまでずっと続け、中には隣の座席に座っている友達とメールの交換をしている子もいるのです。私達から見れば、面と向かって話せばいいものをと考えがちですが、今の若い人はそうではないようです。このような状態だったら、今に「携帯依存」にならないのかと心配していたのです。
その矢先、先日のNHKテレビで、「携帯依存~便利さの裏に潜む危険」という特別番組が放映されていました。それによると、今や携帯電話は私達の生活に完全に入り込んでいますが、特に若い人の中には、携帯電話に振り回されて「携帯依存」の状態になり、ノイローゼ気味になっている人が急増加しているということです。番組では、「破綻(はたん)」という漢字について、日頃メールを打っている人に対する調査結果が出ていましたが、1日にメールを打つのが5通以下の人の40%はこの字が読めますが、これが15通以上になるとわずか10%しか読めないということです。その原因は、メールを打つ場合は急いで書き込むので、平仮名のまま送ることが多く、それが国語力の低下につながっているようです。 携帯電話に頼りすぎるとどうなるかといえば、携帯電話を持ち歩かないととても不安な状態になるそうで、中には、食事中、トイレ中、入浴中のほか、ベッドの中にまで携帯電話を持ち込み、メール打ちに夢中になっている若者まで存在するということです。こうなると、完全な「携帯依存」の状態ですが、最近は、ノイローゼになったり、うつ状態になり、精神科医を訪れる子供達が多くなったそうです。
それでは、なぜ、このような現象が起きるようになったかといえば、専門家の話によると、3年から始まった「携帯電話のパケット・定額制」だということです。これはどれだけ使っても一定額となる携帯電話の料金制ですが、この制度が始まってから急激にメールを打つ人が増え、中には1日に500通ものメールを打つ若者もいるということです。
問題は、こうした「携帯依存」状態の階層が、若者から高校生、そして中学生や小学生へと段々低年齢化しているということです。このような状態は全国的に広がり、今や社会問題となっているようですが、この「携帯依存」には兆候があります。その兆候とは、「片時も携帯電話を放さない」「メールが終わらない」「利き手と逆の手でメールを打つ」「圏外になるとパニックになる」です。「片時も携帯電話を放さない」とは、ご飯を食べているときでも携帯電話を手放さず、親が話し掛けても全く反応がない状態のことです。「メールが終わらない」とは、面と向かった会話だったら、途中で会話が途絶えることがありますが、メールを打ち始めたら、2時間でも3時間でも続く状態のことです。「利き手と逆の手でメールを打つ」とは、普通、ご飯を食べるときは右手で箸を使いますが、この利き手と反対の左手でメールを打つようになったら「携帯依存」の状態だそうです。また、「圏外になるとパニックになる」とは、例えば、家族旅行で県外に行き、そこが携帯電話のが通じない圏外でパニック状態になり、「もう帰る」と言い出した時は、既にその子は「携帯依存」の状態にあるということだそうです。
その対策としては、ご飯を食べるときは、携帯は使わないといった「ルールを決める」とか、「親の目が届く所で充電する」、「一定の時間、携帯から手を放す」等があるようですが、こうした「携帯依存」にならないよう、親が子供の携帯電話の使用について、関心を持つことが大切のようです。



