ペット犬
私が朝食を済ませ、新聞を読んでいると、前の道路の方から子供達の声が聞こえてきました。どうやら団地内にある小学校に通う子供達が登校する時間になったようで、その子供達の声が聞こえるとたちまち、「ワン、ワン、ワン」という犬の鳴き声も一緒に聞こえて来ます。これは、土曜、日曜を除き、毎朝繰り返される光景ですが、その犬というのは、2年前から私方の北隣りの貸家に住む年配夫婦が飼っている2匹のペット犬です。1匹は白色のスピッツ、もう1匹は、種類は分かりませんが、黒色の縫いぐるみみたいな犬です。その夫婦には子供がいないので、2匹とも畳の上で育てているようですが、ご主人が散歩しているときに見ると、犬好きでない私から見ても、2匹ともとても可愛い犬なのです。
ところが、2匹の犬は、私が境界となっている家の裏側で草取りを始めると、私の姿を察知してかすぐさま家を飛び出して来て、草取りをしている私の約1メートル先で、「ワン、ワン、ワン」と吠えるのです。幸い、境界には高さ30センチ位のブロックとその上にネットがありますから咬まれる心配はないのですが、2匹の犬のうちスピッツの方は、鼻にしわを寄せ、いかにも私を憎々しげに見ながら吠えるのです。もう2年も隣りに住んでいるのに、まだ私の顔を知らないようです。そのくせ、私が犬の方に目を向けると、逃げる様なおびえた目つきになり、おまけに足はブルブル震えているのです。おそらく私を怖い敵と思って吠えているものだと思います。そのような時、私の本音としては、棒があったら殴りつけてやりたい心境ですが、飼い主がいますので、それも出来ず、「ヨシ、ヨシ」と笑顔を見せながら草取りをしているところです。
さて、最近、このようなペット犬を飼っている家庭が多く見られるようになりましたが、私が見たところ、ペット犬を飼っている人は、若い人より、むしろ年配の方が多いようです。その人達は、買い物などで外出する際、ペットも一緒に連れて車に乗せているようで、夕方、私が買い物に行くスーパーでは、車に取り残されたペット犬が盛んに吠えている姿を見かけることが度々あります。
先日もこんなことがありました。それは、私がいつものようにJR山之口駅に到着し、学校からの迎えの車に乗り込もうとしたところ、すぐ前に停車している車の運転席の窓から小さな犬が1匹、顔を出しているのが見え、その車に私と一緒に電車を降車した年配の男性が乗り込んだのです。運転席を見ると、年配の女性が乗っていたので二人は夫婦かなと思い、運転を始めるときは、当然、犬を助手席の男性に渡すだろうと思っていたのです。すると、運転者は、犬をひざの上に乗せたまま、いきなり発進してしまったのです。これには私も送迎の職員も思わず、「危ないな」と叫んだほどです。犬は小さなペット犬でしたが、それでもひざの上に乗せたままでは、いつどんな動きをするか予想も出来ませんし、もし、動きを始めたら運転者はその方に気を取られますので、わき見の原因となり、交通事故を起こす危険性があるからです。
年配の方にとっては、子育てを終わり、ポッカリと心の中に空いた穴を埋めるため、いわば癒しのために、ペット犬を飼っているものと思われますが、端から見ても運転者のひざの上にペット犬を乗せて運転する行為は、いざというときにハンドルさばきが出来ず、とても危険な行為ですから絶対避けてもらいたいものです。



