高齢ドライバーの事故防止
先日の日曜日の午後、なんとなくNHKのテレビを見ていたところ、「ご近所の底力」という番組が始まりました。その日のテーマは、「高齢ドライバーの事故を防げ」となっていましたが、当校で実施している高齢者講習や「でんどうし活動」を行う場合、参考になる内容でしたので、職員の皆さんに紹介します。
それは、ここ数年、交通死亡事故は減少傾向にありますが、逆に急増しているのは、高齢ドライバーの事故です。昨年1年間で、65歳以上の高齢ドライバーが起こした死亡事故は957件と、全ての年代の中でも最も多く、また事故件数もこの10年間で2倍に増えているということです。これに対し、国は安全対策を強化、6月からは75歳以上のドライバーが免許証を更新する際、認知能力を測る検査を義務化し、結果次第では免許証を取り上げられることもあるようになりました。しかし、交通の不便な地域では、日々の買い物や通院などに、お年寄りほど車が欠かせず、運転をやめたくてもやめられないのが現状です。そこで番組では、高齢ドライバーの弱点を徹底分析、運転がうまくなる妙案が紹介されていました。
まず、なぜ高齢者は事故を起こしやすいのかということですが、その原因は、二つあるそうです。その一つは、「情報処理能力が衰え、とっさの危険に反応が遅れがちになる。」ということです。まず、直線を走り、信号の合図で急停止する実験をしましたが、普通に行うと若者と大差ない成績を出しているお年寄りも、スピーカーの指示に合わせて数字を答える作業を加えた途端、若者の倍以上の反応遅れが出たのです。車の運転は、信号や歩行者など常に複数の情報から危険を判断する複雑な作業ですが、年をとると、この情報処理能力が衰え、とっさの危険に反応が遅れがちになり、これが事故につながっているということです。
二つは、年をとってくると、運転に「慣れ」が生じてくるということです。教習コースを5周する実験では、はじめはきっちり一時停止していましたが、コースに慣れてくるとキチンと止まらくなりました。これが高齢ドライバーの弱点なのだそうです。年をとると視野が狭くなるので、本来は若いとき以上に首を大きく振るなどの安全確認が必要ですが、高齢者は無意識のうちに運動を節約しようと、慣れた道では「大丈夫だろう」と安全確認を省略しがちになるということです。統計によると、高齢ドライバーが事故を起こしているのは、自宅から約500メートル以内が全体の約6割、さらに自宅から2キロ以内になると、これが全体の約9割と跳ね上がっています。つまり、高齢ドライバーは、自宅近くの慣れた道ほど事故を起こしやすいという実態が浮かび上がっているのです。
この高齢ドライバーの事故を防止する対策として、秋田県の高齢者グループが紹介されていましたが、このグループは、自分達が卒業した自動車学校の施設を使い、交通安全の自主的な安全会を定期的に開催しており、例えば教習コースを順番に走り、互いに悪い癖やミスをチェックしているそうです。身内から運転の衰えを指摘されると、つい腹を立てるベテランも、同世代の仲間同士、お互い様なら素直に受け入れられるということです。また、このほか、全会員で近所を歩き回って危険な場所をチェックし、地図にまとめて情報を共有する等、日々交通安全の意識を高めあうことで無事故の記録を更新しているということです。
この案は妙案であり、当校にとっても地域の安全センターの役割を果たすため、是非実現したいものです。



