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校長のひとり言ブログ

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思いやりの心

 ここ数年、日本の気候、特に夏の天気は以前と比べてなんだか変わったみたいです。例年、7月中頃には梅雨が明けるのに、宮崎県内では今年10日位も遅れましたし、北九州や中国地方、近畿地方などにいたっては、8月になってやっと梅雨明けという状態でした。それに、竜巻が発生したり、また、最近はゲリラ的豪雨というのか、レーダーが把握していない雨雲が急に発達し、一定地域に集中的に豪雨をもたらし、北九州市や山口県、兵庫県では、数十名の方が犠牲になっています。このゲリラ的豪雨は、気象関係者の話によると、どうやら地球温暖化の影響もあるということですが、まことに困ったことです。例年この時期は、カッと太陽が照りつけ、残暑が厳しいのですが、今年は天気予報では晴れとなっていても、午後から急に雨雲が出て来て、夕方になるとゲリラ的豪雨とまでいかなくても雨が降り出すことが多いので、傘は離せないところです。
 さて、朝自宅を出るときには晴れていても、夕方帰宅する頃に急に雨が降り出したりすると困るのは、傘を持たずに家を出たサラリーマンや学生さんですが、先日のテレビを見ていたところ、最近、このような困った人達に傘を無料で貸し出すボランティアの人達のことが紹介されていました。このボランティアは、東京都渋谷区の駅前に住む若者達が結成したもので、「シブカサ」という名称です。ボランティアを結成した理由は、退社時間帯に急に雨が降り出したときは、誰しも困ることですが、そうかといっても傘を売っている所を探すとなると、すぐには見つからないことが多いそうです。そこで、渋谷区内に居住する若者達が知恵を絞り、ビニール製の傘を困っている人達に貸し出すことにしたというわけです。まず、渋谷区内の企業に働きをかけ、資金の援助を受けて傘を購入し、その傘1本、1本に「シブカサ」の文字とマークを入れ、その傘は、この趣旨に賛成し加盟している渋谷区内のカフェとか喫茶店に定期的に配布することにしたのです。
 なぜ、その傘を駅の出口やバス停留所に置かずに、カフェ等に置くことにしたかというと、それは、カフェ等の従業員の情操教育、つまり、雨が急に降り出して困っているお客に対して、傘を直接手渡すことにより、従業員に「思いやりの心」を持ってもらい、さらに貸した傘が回収されることにより、その店に再度訪れるリピーターを増やすことが狙いだったのです。それでは、結果はどうだったかということですが、画面では、雨が降り出し困っているお客さんに対し、従業員が傘を手渡す光景が映し出されていましたが、その際、必ず「雨でお困りでしょう。どうぞ使ってください。」という言葉が添えられていました。
 こうして貸し出しされた傘は、果たしてどの位、元の店に回収されるかということですが、現在のところ、まだ1割位だそうです。それでも、傘を借りたお客さんが再度その店を訪れ、「先日は、雨が急に降り出し、どうしようかと困っていましたが、おかげで傘を借りることが出来、助かりました。」というお礼の言葉があり、それを聞いた従業員からは、「傘を貸してよかったという思いがし、仕事に生きがいを感じます。」との声が出ていました。この作戦を始める前までは、従業員とお客さんの間には、「いらっしゃいませ」とか「ありがとうございました」といった営業上の会話だけでしたが、このサービスを行うようになってからは、従業員の「思いやりの心」がお客さんに通じたようで、傘を返すついでに再度その店を利用するお客さんが増えて来ているということですから、このアイディアは成功したようです。