発想の転換
昨今の経済不況で、倒産する企業も多く、どの業界もいかにしてこの不況を乗り切るかと躍起になっている状況ですが、先日の朝、テレビで見たスーパーでは、全従業員がこの不況をチャンスと受け止め、「発想の転換」により、売り上げ成績を伸ばしている模様が放映されていました。
このスーパーは、高知市内のスーパーですが、高知市内にも大規模のスーパーが出現し、そのため既存のスーパーは、どの店も顧客が大型スーパーに奪われて毎年減少傾向にあるそうです。このスーパーもその例に漏れず減少傾向にありますので、社長以下全従業員がその対策を練ったということです。まず、自社スーパーの顧客層を調べたところ、約34パーセントが65歳以上の高齢者だということがわかったので、ターゲットをその高齢者に向けることにしたのです。そこで、どうすれば今まで以上の高齢者を店に呼び寄せすることが出来るかを検討した結果、若い従業員から「ポイントを5倍にしたらどうだろうか」という意見が出されたそうです。そのスーパーでは、それまでポイントカード制度を採用し、お客さんが買い上げた105円(税込み)につき、1ポイントがつくようになっていましたが、これを特定日には、65歳以上のお客さんに限り、5倍のポイントにするというアイディアなのです。当初、このアイディアには、「65歳以上のお客さんだけにするというのは不公平だ」という反対意見もありましたが、面白い意見だという社長以下幹部の判断で、この方法が採用になったということです。
そこで、そのスーパーでは、毎週金曜日と毎月15日を「イキイキデー」とし、65歳以上で、この店のポイント優待会員になっている人が、1,050円以上買い物をすると、通常日1点のポイントが、この日は、特別5倍になるというシステムにし、さらに、ポイントが1,000点たまると、レジで現金1,000円をキャッシュバックするという方法を実施することにしたのです。また、「イキイキデー」の日は、日頃お菓子売り場は、パンやケーキなどの洋菓子が多いのですが、この日だけは特別に、高齢者が求める羊羹などの和菓子を中心に陳列するように工夫を凝らしたそうです。さらに、魚売り場では、少人数の高齢者が食べれるように、魚の量を減らして値段を低価格にするなど、高齢者が買いやすいようにして、このサービスを始めたということです。
いざ、この「イキイキデー」を始めてみると、噂が噂を読んで65歳以上のお客さんが急に増えたということです。テレビでは、このサービスを受けた高齢者がインタビューに応じていましたが、どの高齢者からも「今までに3回、1,000円をもらった。これを楽しみに今日は買い物に来ました。」など、顔面一杯に喜びの表現をしながらの元気な声が聞こえてきました。
この「イキイキデー」の効果があったのか、このスーパーの売り上げは、通常に比べて約1割も増えたそうですが、それよりも従業員にやる気が見え出し、次から次へとアイディアが飛び出してきたそうです。通常、既存のスーパーでは、近くに大型スーパーが開店すると、その店に顧客を奪われてしまい、従業員自体も働く意欲を失いがちですが、高知県のスーパーのように「発想の転換」により、売り上げ利益を伸ばす企業も出現しているようですから、私達も参考にしましょう。



