感謝の気持ちを表す言葉は、我が国においては「ありがとう」ですが、国によっては呼び方が違っています。例えば、英語なら「サンキュー」、ドイツ語なら「ダンケシェーン」、イタリア語なら「グラチェ」、フランス語なら「メルスィ」、ロシア語なら「スパシーバ」、中国語なら「シェーシェー」、韓国語なら「カムサハムニダ」という具合です。その中でも、私は日本人として生まれ、そして日本で育ち、話す言葉は日本語を使っていますから、「ありがとう」という言葉が好きです。
先日、テレビを見ていたところ、その「ありがとう」という言葉を表現した特集番組がありました。それは、女性宇宙飛行士「山崎(旧姓角野)直子さん」の家族愛が内容となっているものです。山崎さんは、向井千秋さんに続き、2001年に宇宙飛行士に選定された日本人で2番目の女性飛行士ですが、結婚後、娘を出産しながらも宇宙飛行士の夢を見続け、2度目のチャンスで、とうとう宇宙飛行士になった人です。その山崎さんのご主人は、結婚当時、筑波宇宙センターのシステム運用管制官として勤務し、将来は宇宙センターの管制官を目指していたそうです。しかしながら、直子さんが、宇宙飛行士となるためのアメリカでの訓練が本格的に始まるのを機に、夢をあきらめ、仕事を辞めて家族3人で渡米し、現在は「主夫」に専念しているということです。その直子さんは、ご主人に対し、いつも感謝の気持ちを持ち、二人の会話の中では、「ありがとう」という言葉を絶えず使っているということでしたが、その様子をテレビで見ながら、私もなんだか嬉しい気持ちになったところでした。
さて、「ありがとう」と言えば、先日ラジオで深夜放送を聞いていたところ、感謝の気持ちを表す「ありがとう」を題材にしたリスナーからの応募作品が放送されていました。その内容は、中学から高校を卒業するまでの6年間、毎日弁当を作り続けてくれたお母さんに対する娘さんからの感謝の言葉「おかあさん、弁当ありがとう、美味しかったよ」等でしたが、次の作品はそれまでの作品と全く異なるキラリと光るものでした。そのリスナーは、従業員8名の部品を作る下請け工場に勤務する30代の男性ですが、「ありがとう」の感謝相手は、なんと会社の社長さんということでした。
私は当初、「感謝の気持ちの相手が社長さん」と聞き、びっくりしたのですが、内容を聞いてさらに感激しました。それは、その会社も不景気の影響をもろに受け、元請け企業からの仕事がなく、従業員はいつ工場が倒産するかと心配しながら勤務していますが、それでも1名の落伍者はないそうです。それは、社長が従業員からの相談は、仕事以外の例えば、家庭内のこと等、何でも受けてくれるからです。それに、従業員を一人でも失ってはならないと毎日金策に飛び回り、夜遅くまで仕事を続け、毎月の給料もきちんと支払ってくれ、これまで遅配ということはないそうです。従業員もこのような明るく、そして従業員のことをいつも思っている社長に対して、絶大な信頼を持っているということで、放送を通じて、「社長、ありがとうございます」という言葉を是非伝えて下さいということでした。
その言葉を聞き、ニコニコと従業員と話をする社長さんの姿を思い浮かべ、うらやましい気持ちになりましたが、私達も会社に勤める立場、この例に倣い、素直な気持ちで社長に対し、「ありがとう」という感謝の気持ちを持つよう、常に心がけましょう。



