先日、夕食の後、NHKテレビの「クローズアップ現代」を見ていたところ、デフレが深刻化する中で、安売り以外の戦略で客の心をつかもうとしているスーパー三社が、この不況の中で注目を集めていることが放映されていました。
その一つは、北九州市にあるスーパーでした。このスーパーでは、お客様カードを活用して客の欲しい商品は全て仕入れることにしているそうですが、月に約500件位の要望があるということです。担当者がその要望書を見て、1週間以内には仕入れていますが、中には、九州以外の関東地方で出回っている商品もあるそうです。担当者はその品物を製造販売している会社に直接電話し、販売を渋る相手方を説得するなどの苦労をして、ようやく仕入れているということです。大量仕入れによるコスト削減が多いスーパーとは、全く逆のやり方ですが、その苦労が実ってか、そのスーパーには、例えば、同じ味噌でも、全国から取り寄せた色々な商品が揃えられており、売り上げも伸びているそうです。
その二つは、「コストを削減する」という小売りの常識を否定し、あえてコストをかける戦略をとっているスーパーでした。これは首都圏にある中堅スーパーですが、前年を上回る店舗1㎡当たりの売り上げは約5倍で、全国一だそうです。どこにその秘密があるかということですが、それは「社員力」だということです。全国、どこのスーパーでも、正社員とパートの割合は大体3対7というのが普通ですが、そのスーパーは、逆に約7割が正社員だということです。それでは、正社員が多いメリットはどこにあるかということですが、正社員だと、如何に工夫すれば多くの品物を売ることができるかということを真剣に考えるのだそうです。そのスーパーの正社員は、店頭に立ち、店に入ってくるお客さんの顔を見ながら陳列する品物を変えるのだそうです。例えば、昼間の時間、店を訪れるのは大体主婦ですが、その主婦がどの品物を選ぼうか迷っていると思った時は、すかさず、その主婦のところに近づき、「今日の献立は、何を考えられていますか」等と言いながら、品質に自信がある商品を勧めるのだそうです。また、夜間で仕事帰りのお客さんが多くなったときは、店先に、料理をしなくてもそのまま食べられることが出来る、例えば、水菜やレタス等を並べておくという工夫をしているということです。
また、このスーパーでは、商品を一括仕入れるというやり方ではなく、社員一人一人に仕入れを任しているそうです。その理由は、仕入れを担当者に任せておく方が、販売に対する責任が生まれるそうで、各担当者は、お客さんの要望を的確にとらえ、自分で仕入れ先を開拓して商品を仕入れているということです。さらに、このスーパーでは、年齢や経験に関係なく、昇任を認めているそうで、やる気さえあれば、20代でも責任ある役職が与えられているということでした。
その三つは、山梨県内にあるスーパーで、客の買っている商品から、その客はどんな買い物の志向があるのかを分析し、その志向に合わせて、店ごとに販売する商品を変える戦略を打ち出しているということでした。
このようにスーパーによってやり方は違いますが、その目的は、「いかにして消費者の心をつかみ、売り上げを伸ばすか」ということで、それぞれが成功しているようです。MDSでも、このスーパーに負けないよう、「教習生の心をつかむ新戦略」を考えてみましょう。



