最近のニュースといえば、政治資金規正法違反事件や雇用の不安等何かと暗い話題ばかりでしたが、久方振りに「人情」溢れる明るい話題に接することが出来ました。それは、先日の朝、散歩中にラジオから流れてきたものでした。それによると、埼玉県の女子中学生が、石川県の高校を受験するため母親と向かう途中、大雪のため列車が運休して足止めされながら、ヒッチハイクしてトラックに乗せてもらい、無事試験場にたどり着き受験、合格したというものでした。この話題を紹介した生島ヒロシさんも、「いやー、感動しましたね。まだ、こんな人情溢れる日本人もいるのですね。」とトラック運転手のことを褒めちぎっていましたが、ラジオを聞いていた私も生島さんと同感でした。
その日の朝、テレビでもこのことが詳しく放映されており、再び感動したところです。テレビによると、話題になった埼玉県の女子中学生は、子供の時から「航空自衛隊のパイロット」になることが夢で、今年の1月中旬、石川県輪島市にある日本航空石川高校の推薦入学試験を受験するため、試験前日、母親と一緒に東京から新幹線に乗り新潟県に向かったのだそうです。予定では、新潟県の長岡駅から石川県に向かう列車に乗るスケジュールだったのですが、大雪のためその列車が運休になったということです。深夜であるし、他の交通機関もなく途方にくれてしまい、女子中学生は泣き出してしまったそうです。すると、母親が「絶対あきらめないで」と娘をなだめ、ヒッチハイクをすることを提案したということです。しかしながら、大雪の降る中で、初めてのヒッチハイクだったせいか、思うようには車は停車してくれず、それでも約1時間傘を振り続け、ようやく1台の車が停車したので事情を説明し、新潟県上越市まではたどり着いたということです。
時間は深夜の午前2時、試験が始まるのは午前9時、上越市から試験場の石川県輪島市までは約300キロと条件は益々悪くなるばかりでしたが、母親が再び「あきらめないで」と娘を元気付け、雪の中を歩きつづけ、ようやく午前4時ごろになって、ガソリンスタンドで給油中の大型トラックを見つけたそうです。運転手は熊みたいな感じの中年の男性で、当初、母娘とも怖かったそうですが、思い切って事情を説明したところ、石川県の金沢市までなら乗せてやるということになったということです。母親としては、入試開始時間まであと5時間、金沢市まで乗せてもらったとしても、金沢市から試験会場の輪島市まで行く手段などは全く当てがありませんでしたが、それでも車中で、娘に「あきらめないで、なんとかなる。」となだめていたところ、それを聞いていたトラックの運転手が「よっしゃ、輪島まで行っちゃる」と言い出し、途中からトラックの進路を変え、一路輪島市に向かったそうです。
トラックが会場に到着したのは試験が始まる10分前で、その時の様子について、学校関係者は「いきなり、大型トラックがすごいスピードで入ってきたので、何ごとかとびっくりしていたところ、母親と娘らしき二人がトラックから飛び降りてきたので、初めて受験生だとわかった」と説明するほど、まるで映画のワンシーンのようだったということです。さらに、驚いたことには、偶然にも、この日の作文のテーマが「私が感動したこと」だったそうです。女子中学生は、トラック運転手に助けられたことや「絶対あきらめないで」と励ましてくれた母親への感謝の気持ちをつづったところ、見事合格したということです。トラックの運転手は「私にも同じ位の娘がいますから」と言って名前を名乗らず学校から立ち去ったそうですが、その後学校が調べて電話をしたところ、開口一番「試験の結果はどうでしたか」と尋ね、合格した旨を伝えると、「ああ、よかった」という答えが返ってきたということです。
この話を聞き、受験生に合格を運んでくれたトラックの運転手さんが、まさにドラマの主人公のように思えるとともに、このような「人情」溢れる人がいることを知り、なんだかうれしくなったところです。



