カナダのバンクーバー市で開催されていた冬季オリンピックは、本日をもって全日程を終了しましたが、日本は残念ながら、金メダルはなく、銀3個、銅2個の合計5個の成績でした。今回のオリンピックでは、フリースタイルスキー・モーグルの上村愛子選手や女子カーリングの活躍ぶりに注目が集まりましたが、国民の目が最も集中したのは、何といっても女子フイギュアではなかったかと思います。特に、浅田真央選手については、全国民が金メダルを取って欲しいという願望がありましたが、結果は浅田選手のライバルである韓国のキム・ヨナ選手の圧勝でした。決勝の当日、私も当校のテレビでその模様を見ていましたが、キム・ヨナ選手に全くミスがなく、その優雅な姿に思わず見とれてしまい、「これでは駄目だ。浅田選手の金はなくなった。」とあきらめてしまったほど、キム・ヨナ選手のスケートは素晴らしいものでした。試合後、この決勝の結果を見た、あるテレビのコメンターが、「浅田選手の演技は『頑張った』と言えるが、キム・ヨナ選手の演技は『うまい』と感じた」と表現していましたが、まさにその通りで、今回はキム・ヨナ選手の演技には、全く文句のつけようがありませんでした。浅田選手には、4年後に開催される冬季オリンピックに期待しましょう。
今回の浅田選手とキム・ヨナ選手とのライバル対決には、私には、一つの布石があったような気がします。それは決勝当日の朝、選手達は本番に備えて練習光景がテレビで放映されましたが、浅田選手が真っ赤な衣装を身に着けていたのに比べ、ライバルのキム・ヨナ選手は鮮やかなブルーの衣装だったからです。その映像を見た瞬間、私は「これはキム・ヨナ選手の勝ちだ」と直感したのです。それは数日前のテレビで、「女子フイギュアには、ジンクスがある。それは金メダルをとるのは、ブルーの衣装を身につけた選手」と放映していたからです。そう言えば、前回のトリノ大会でも金メダルを取った日本の荒川選手が身に付けていたのは、ブルーの衣装だったからです。そうは言っても、私の心の中にはやはり、「浅田選手に是非勝ってほしい」という気持ちがありましたが、キム・ヨナ選手の姿を見て、演技する前から浅田選手の金メダルは無理だと感じました。それは、ブルーの衣装を身に着けたキム・ヨナ選手の態度には、世界チャンピオンらしい風格があり、全く隙がなかったからです。スケート関係者の話によると、ブルー系統の衣装は、審判員に対し、フイギュアにとって大切な優雅な印象を与え、高度の点数を獲得できるものだそうです。そこで、その状況を素早くキャッチし、演奏曲の選定のほか、フリーが苦手のキム・ヨナ選手にブルー系統の衣装を身につけさせて自信を植え付けたカナダ人コーチの手腕が、今回の金メダルの獲得につながったようです。
スポーツ界では、このような縁起をかつぐ、いわゆる「ジンクス」が数多く見られます。例えば、ゴルフ界ではアメリカのタイガー・ウッズ選手は、最終日、勝負をかける時の服装は真っ赤なシャツと黒いズボンですし、高校野球では、ピンチやチャンスのとき、PL学園高校の選手が必ず見せる「胸のお守りをぎゅっと握りしめる行動」もその「ジンクス」の一つです。こうしてみると、スポーツ選手にとっての衣装や行動の「ジンクス」は、勝ちに結びつく縁起のよいものだけでなく、自分を落ちつかせる原動力にもなっているようです。浅田選手には、次の冬季オリンピックで金メダルを取ることを期待しましょう。



