居酒屋甲子園
「甲子園」と言えば、高校野球の日本一を決める大会として有名ですが、このほか、最近は「○○甲子園」と名のついたものが多くなっています。例えば「駅弁甲子園」、「パソコン甲子園」、「アニメ甲子園」、「まんが甲子園」、高校生の漫才大会である「M-1甲子園」といった具合ですが、いずれもそれぞれの部門の日本一を決める大会のようです。そのような中で、最近、NHKテレビで「居酒屋甲子園」という特集番組を放映していました。もちろん、「居酒屋甲子園」は初めて聞く言葉でしたので、どんなことをするのか興味があり、内容を見ることにしたのです。
それによると、「居酒屋甲子園」とは、「居酒屋から日本を元気にしたい」という思いを持つ外食産業で働く人達が参加して日本一を決めるもので、今年で5回目を迎えるそうです。「居酒屋甲子園」には、非営利法人(NPO)が設立され、毎年、事務局でテーマを掲げ、日本一を決めていますが、今年のテーマは「地域を元気に」で、この大会に参加する各店の工夫が紹介されていました。
まず、最初に紹介されていたのは、開店前に全従業員が清掃をする居酒屋でした。どこの街でも、始業前や開店前に清掃をする銀行員や商店従業員は見かけるものの、清掃する個所は、自分の店等の前かその付近と決まっていますが、紹介された居酒屋の清掃区域は、驚いたことに、居酒屋が入っている商店街の周辺約1キロだそうです。もちろん、時間はかかりますが、継続して清掃を行っているせいか、最近では、商店街の人達からも顔を覚えられ、「頑張っているね」という声がかかるそうです。この居酒屋は、清掃だけでなく、商店街のイベントにも積極的に参加し、テント張りや後片付け等も行っているということです。こうした活動について、この居酒屋のマスターは「一見客や飛び込み客だけでは商売は成り立ちません。多くの人達に店に来てもらうためには、まず地域に受け入れられてもらうことです。」と清掃の動機を説明していましたが、清掃を続けた結果、最近では、地域の人達がこの居酒屋のことを知り、訪れる客が増えたということです。
次に紹介されていたのは、農家と連携した活動をしている居酒屋でした。その居酒屋は、郊外にある耕作放棄された農地を借り受け、従業員自ら農作業して野菜や果物を作っているそうです。従業員は全く農業の経験はありませんでしたが、野菜の作り方や肥料のやり方等を地元の農家の人達から指導を受けたことにより、従業員と農家の人達とのコミュニケーションが深まり、今では地元農家の人からは「地域に若い人達の姿が見られるようになり、活気が出てきた」と評判が良くなったということです。また、収穫した野菜は、居酒屋で使っていますが、お客さんからは「新鮮でおいしい」と高く評価されているほか、余った野菜や果物は、居酒屋近くに販売店を設け、ここで販売しているそうです。その野菜等は市価よりはるかに安く、おまけに畑から直接持ってきた新鮮な物ですから、「こんなおいしい野菜や果物があるのなら、ひとつ、その居酒屋に行ってみようか」という評判が立ち、居酒屋を訪れる客も増加しているということです。
今年の「居酒屋甲子園」は既に2月から予選が始まっているということですが、果たしてどこの「居酒屋甲子園」が選ばれるか、今からその結果が楽しみです。



