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校長のひとり言ブログ

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2010年4月 アーカイブ

2010年4月 5日

居酒屋甲子園

 「甲子園」と言えば、高校野球の日本一を決める大会として有名ですが、このほか、最近は「○○甲子園」と名のついたものが多くなっています。例えば「駅弁甲子園」、「パソコン甲子園」、「アニメ甲子園」、「まんが甲子園」、高校生の漫才大会である「M-1甲子園」といった具合ですが、いずれもそれぞれの部門の日本一を決める大会のようです。そのような中で、最近、NHKテレビで「居酒屋甲子園」という特集番組を放映していました。もちろん、「居酒屋甲子園」は初めて聞く言葉でしたので、どんなことをするのか興味があり、内容を見ることにしたのです。
 それによると、「居酒屋甲子園」とは、「居酒屋から日本を元気にしたい」という思いを持つ外食産業で働く人達が参加して日本一を決めるもので、今年で5回目を迎えるそうです。「居酒屋甲子園」には、非営利法人(NPO)が設立され、毎年、事務局でテーマを掲げ、日本一を決めていますが、今年のテーマは「地域を元気に」で、この大会に参加する各店の工夫が紹介されていました。
 まず、最初に紹介されていたのは、開店前に全従業員が清掃をする居酒屋でした。どこの街でも、始業前や開店前に清掃をする銀行員や商店従業員は見かけるものの、清掃する個所は、自分の店等の前かその付近と決まっていますが、紹介された居酒屋の清掃区域は、驚いたことに、居酒屋が入っている商店街の周辺約1キロだそうです。もちろん、時間はかかりますが、継続して清掃を行っているせいか、最近では、商店街の人達からも顔を覚えられ、「頑張っているね」という声がかかるそうです。この居酒屋は、清掃だけでなく、商店街のイベントにも積極的に参加し、テント張りや後片付け等も行っているということです。こうした活動について、この居酒屋のマスターは「一見客や飛び込み客だけでは商売は成り立ちません。多くの人達に店に来てもらうためには、まず地域に受け入れられてもらうことです。」と清掃の動機を説明していましたが、清掃を続けた結果、最近では、地域の人達がこの居酒屋のことを知り、訪れる客が増えたということです。
 次に紹介されていたのは、農家と連携した活動をしている居酒屋でした。その居酒屋は、郊外にある耕作放棄された農地を借り受け、従業員自ら農作業して野菜や果物を作っているそうです。従業員は全く農業の経験はありませんでしたが、野菜の作り方や肥料のやり方等を地元の農家の人達から指導を受けたことにより、従業員と農家の人達とのコミュニケーションが深まり、今では地元農家の人からは「地域に若い人達の姿が見られるようになり、活気が出てきた」と評判が良くなったということです。また、収穫した野菜は、居酒屋で使っていますが、お客さんからは「新鮮でおいしい」と高く評価されているほか、余った野菜や果物は、居酒屋近くに販売店を設け、ここで販売しているそうです。その野菜等は市価よりはるかに安く、おまけに畑から直接持ってきた新鮮な物ですから、「こんなおいしい野菜や果物があるのなら、ひとつ、その居酒屋に行ってみようか」という評判が立ち、居酒屋を訪れる客も増加しているということです。
 今年の「居酒屋甲子園」は既に2月から予選が始まっているということですが、果たしてどこの「居酒屋甲子園」が選ばれるか、今からその結果が楽しみです。

2010年4月12日

くも膜下出血

 プロ野球巨人軍の木村拓也選手といえば、宮崎県出身のプロ野球選手で、昨年末で選手生活に終止符を打ち、今年から巨人軍の内野守備走塁コーチに就任し、今後は、指導者としてその活躍が期待されていた人ですが、先日、「くも膜下出血」のため、懸命の治療もむなしく、37歳という若さで亡くなりました。これからという時期に、全く惜しい人を失ったものです。訃報の知らせを受けた巨人軍の原監督が、男泣きしている姿を見て、私も思わずもらい泣きしたところです。
 さて、今回、木村拓也コーチを突然襲った「くも膜下出血」ですが、この病気については、約10年位前、柔道の井上康生選手の母親が51歳の若さで亡くなり、そのときの死因が「くも膜下出血」だったことから、その病気の恐ろしさは知っていましたが、まさか、木村コーチのように、まだ30代の働き盛り、それも昨年までプロ野球の選手だった人が罹る病気とは思っていませんでした。
 このくも膜下出血とは、脳を覆っている「くも膜」と「軟膜」の隙間に出血を起こす病気で、その多くは、脳の動脈に出来る瘤(こぶ)、いわゆる動脈瘤が破裂して起こる病気だそうです。なぜ動脈瘤が出来るか、いつ破裂するかは、専門家でもまだ分かっておらず、予防が難しいのだそうですが、その症状としては
  ○ 突然激しい頭痛に襲われる
  ○ その頭痛がいつから始まったかが分かる
  ○ 頭痛の原因は分からない
  ○ 吐き気を伴うような頭痛である
  ○ 冷や汗を伴うような頭痛である
  ○ 意識を失ったり、もうろうとしたりする
  ○ 物が二重に見えたり、手足が麻痺する
等の髄膜刺激症状があるそうですが、専門の医師の話によると、患者の約半分の人には、発病する1週間前から前駆症状という前兆の頭痛があるということです。報道によると、木村コーチも、倒れる前、同僚に「頭が割れるように痛くて、2,3時間しか眠れない」と話していたということですから、おそらく、これが木村コーチの「くも膜下出血」の前兆だったものと推察されます。
 では、「くも膜下出血」を起こさせないためには、どうすればよいのかということですが、専門家は「喫煙や大量の飲酒を避けること。高血圧の人、家族にくも膜下出血を起こした患者がいる人は危険分子が高い。」と話しています。また、「くも膜下出血」のほとんどは動脈瘤の破裂によって起こっており、実際の患者は40~50代が中心で、男性より女性が多く、木村コーチのように30代で発症する例は少ないが、最近では70代等高齢の患者も見られるということです。こうしたことから、専門家が勧めているのは「脳ドック」です。出血すると3分の1が死亡、3分の1が社会復帰が難しいという現状からすれば、発症リスクの高い40~50代は、一度脳ドックを受け、MRIやCTで脳の写真を撮っておくとよいそうですから、出来るだけ脳ドックを受けるように心がけましょう。

2010年4月19日

愛他行動

 テレビや新聞で最近のニュースを見ると、自分の生命の危険を顧みず、他人を助けようとして行動に移し、そのため命を落としたり、あるいは危険にさらされる事案が相次いで発生しました。
 その一つは、本年2月15日の夜、東京のJR高円寺駅のホームから、酒に酔った若い女性が誤って線路に転落した事案です。このときは、電車が入ってくる直前に、近くにいた若い男性が線路に飛び降り、女性をレールとレールの間に運び、間一髪で救助することが出来ました。このニュースをテレビで見たとき、約10年位前、東京の大久保駅だったと記憶していますが、韓国の留学生が線路に落ちた人を助けようとして線路に飛び降り、電車に轢かれて命を落とす事故を思い出しました。幸い、今回の場合、転落した人も救助のため線路に飛び降りた人も怪我ひとつしませんでしたが、自分の生命の危険を顧みず、よく咄嗟にこのような行動が取れたものと感心したところです。
 その二つは、3学期が始まる前日の4月6日の夕方、佐賀県唐津市内のフェリー発着場付近の岸壁で発生した子供の転落事案です。岸壁で釣りごっこの遊びをしていた5人の子供のうち、4歳になる保育園児(男)が誤って2メートル下の海中に転落し、これを助けようとして小学校5年生の兄(10歳)と一緒に遊んでいた友達が飛び込み、兄が溺れました。幸い、友達は岸壁にたどりつき、また、弟は救出され、病院に搬送途中に意識が戻って一命を取り留めましたが、兄は懸命の人工呼吸もむなしく死亡するという、誠に痛ましい事故となりました。この岸壁では、昨年、酔っぱらいによる転落事故が発生し、その対策として浮き輪が3か所設置され、さらに、海中に降りるタラップも設置されていたのに、これが全く利用されず、またもや転落事故が発生したというわけです。第三者からみれば、何も見境なく海に飛び込まなくても、他の方法、例えば、近くにいた人に助けを求めるとか、岸壁にある浮き輪を投げ込む等の手段がとれなかったかと考えられますが、10歳になる兄にはそのような考えは咄嗟に浮かばず、弟を助けたい一心で、後先のことは全く考えずに、飛び込んだものと推察されます。
 この二つの事例にみられるように、窮地に陥っている人を助ける行動のことを「愛他行動」といいますが、この本能は人間だけが持っているものだそうです。昔は隣の人が困っていれば手をかしたり、地域のみんなで助けたり、そういうことがごく自然に行われていましたが、最近、この「愛他行動」が減少しています。その要因は、集団が大きくなったことで、特に都会生活においては「他人のことに関わらない」というルールが出来、それを身につけてしまったために、「愛他行動」が出にくい状況になっているということです。
 困った人がいても、傍観する人が多くなっているということについて、こんな調査結果が出ています。それは集団が2人で、1対1の場面で相手が困っている場合は、100%手を差し伸べますが、これが3人になると85%、6人になると65パーセント減少し、さらに多くなると%は下がり、傍観者が多くなってくるということです。
 この「愛他心」に基づく「愛他行動」は、私達が研修で学んだ「利他性」と相通ずるものがあり、素晴らしいものですが、後先を考えずに行動すると、自分の命を失うことになります。そこで、重い荷物を持っている人を見かけた場合、その荷物を持ってやる等ということは出来るはずですから、周りにたくさんの人がいても恥ずかしがらずに、皆さんが持っている「愛他行動」をフルに発揮しましょう。

2010年4月26日

介護

 私の実母は今年95歳になり、現在、実家で弟夫婦と暮らしていますが、昨年の暮れ、弟の嫁が風邪をこじらせて入院し、弟も仕事の関係があったため、母を2週間位、同じ町内にある特別養護老人ホームにショートステイで預けたことがありました。そこで、私も3回ほど、母に面会する目的で、その施設を訪問したことがあります。3回とも面会時間は午後3時ごろでしたが、ロビーでは、30名ほどの入所者の人達がゲームをしたり、懐メロを歌ったりしており、どの入所者の人達の表情はとても楽しそうでした。ゲームや歌の指導を指導しているのは、もちろん施設の職員の人達ですが、全員が20代か30代の前半と思われる若い人で、どの職員も満面の笑顔で老人に接しており、その様子を見てさすがは「介護」の専門家だなと感心したところです。
 ところで、高齢者社会を迎えた現在、国内においては各地に特別養護老人ホームやグループホーム等が出来ていますが、フリッピンやインドネシアから「介護」の要員を多く採用しているように、施設で働く人達が不足しているようです。しかしながら、これらの施設で働く人達は、「給料が安い」、「長時間拘束される」、「仕事がきつい」等の3Kの職業と言われながら、私が垣間見た上記の施設の人達は、全員、笑顔で入所者に接していましたから、当然、全国で働いている施設の職員の方も、このような方ばかりだと思っていたのです。
 ところが、先日報道されていた老人施設職員の「介護ぶり」には、呆れたというか憤りさえ感じました。その施設は、栃木県宇都宮市内にある介護老人保健ホームで、新聞報道によると、この施設は認知高齢者を収容している所ですが、次のような虐待と思われる行為があったということです。それは、20代の女性職員が上半身裸、オムツ姿で四つん這いになった80代の男性入所者を携帯電話のカメラで撮影し、同僚に見せて笑っていたとか、30代の男性職員と20代の女性職員2人の計3人が、80代の女性入所者のほほに落書きし、顔料で○を書いていたということです。そのほか、頭を平手でたたくとか車いすからベッドへの移動介助時に必要以上に高く持ち上げた等の行為があったということです。さらに驚いたことには、これらの虐待と思われる行為がありながら、記者会見では、「職員への聞き取りでも悪意が認められず、継続性がなかったので、高齢者虐待防止法違反とは認められず、市には通報しなかった」と説明していたからです。
 さて、「介護」といえば、当校では、今年から本格的に閑散期を活用し、デイサービスセンターでボランティア活動をすることになり、既に何名かの方は、その経験をしています。そもそも、ボランティアとして、デイサービスセンターで、高齢者のお世話をするようになった目的は、自動車学校指導員として「人間力を向上させる」ことです。つまり、ボランティアを通してデイサービス利用者への思いやりを醸成するとともに、難しい言葉でいえば、ボランティアをする側とされる側双方の尊厳とか、生きがい、コミュニケーションを向上させるために行うわけです。既に当校においては、試験的にデイサービスセンターでのボランティア活動を行いましたから、大半の指導員はその経験をしていますが、入所者の方も皆さんの来訪を心待ちにしているはずです。笑顔で接し、皆さんの人間力がアップすることを期待しています。