当校は都城市の郊外にあり、西側には一面、田んぼが広がる環境となっているためか、一年を通し、いろいろな鳥が飛来し、さながら場内コースは鳥達の遊び場といったところです。その鳥達には、カラス、雉鳩、ムクドリ、スズメ、ハクセキレイ等がいますが、毎年4月から5月にかけては、その鳥達が学校内の場所にそれぞれ巣を作っています。例えば、カラスは二輪コースの照明塔の電柱、スズメは発着所の軒下といった具合です。また、ハクセキレイの巣ですが、これがなんとトラックのエンジン部なのです。ハクセキレイの巣作りが始まったのは、3年前になりますが、その年は道路交通法が改正され、中型免許の新設に伴い、大型免許の駆け込み入校が多く、そのため、教習用のトラックを7台に増車したわけです。その年の4月の末、送迎担当の江口職員から「レストラン下に置いてあるトラックのエンジン部にハクセキレイが巣を作っている」と教えてもらい、そのトラックのエンジン部を覗いたところ、巣を作っていたのです。ハクセキレイが家の換気扇や、使用していない自転車の荷台等に巣を作ることは知っていましたが、まさか、自動車のエンジン部に巣を作ろうとは思っていなかったのです。おかげで、巣を発見してから雛が巣立つまで、そのトラックは一時教習車として使えませんでしたから、自動車学校としては迷惑な巣作りでしたが、ハクセキレイのことを考えると、それも止むを得ない措置だったのです。
さて、このような鳥達の巣作りについては、これまで微笑ましい光景だと思っていたのですが、実は、このようなエンジン内の巣作りが「自動車火災」の原因になっているのにはびっくりしました。それは、先日、国土交通省が発表した自動車火災の原因によると、火災件数の総数は984件ですが、このうち、雑巾や鳥の巣などエンジンルーム内に持ち込まれた可燃物が原因とみられる火災は72件もあるそうです。そして、発火した可燃物は、雑巾や軍手などの布類が56件と最も多く、リスや鳥達等が巣を作るために持ち込んだ小枝などが8件、枯れ草7件等となっています。
そのうち、雑巾や軍手は、車の整備が終わった際に忘れるケースが多いほか、次の使用に備えてわざと置きっぱなしにしているドライバーもいるということですから、私達も気をつけたいものです。また、鳥などの巣が原因とみられる火災は、長期間使用していなかったトラックに多く報告されているということですが、これは当校の場合にもあてはまるようです。それは、当校においてハクセキレイが巣を作るのは、決まって長期間使用していないトラックだからです。それにしても巣を作るハクセキレイは、トラックの動きを良く観察しているものです。
なぜ、鳥がエンジン部に巣を作るかということですが、専門家の話によると、エンジンルームの配管は樹木の枝に似ていることに加え、冬でも暖かく、外敵も少ないからだということで、車両の隙間から動物が小枝等を持ちこんで巣を作るのだそうです。しかしながら、国土交通省の実験によると、こうした可燃物は、エンジンオイルなどが付着すると、300度から350度で発火するということですから、長期間車を放置しないことと、運転前には、エンジンルーム内に置き忘れた物や小枝等がないことを確認することが必要のようです。



