今年の6月中旬ごろ、いつものように早朝散歩をしていたところ、乱舞する数匹の昆虫の姿が目に入りました。その昆虫は、モンシロチョウ位の大きさでしたから、てっきり蝶だと思ったのですが、近くに寄ってみると、翅(はね)が黄色いというかどちらかというとオレンジに近い色でした。また、よく見ると、黄色のほか、紺色みたいな色もあり、それらの翅は毒々しい色をしていましたので、その昆虫は、南の地方から飛んできた蝶だと思ったのです。それから、数日して私の庭でも、その蝶らしき昆虫が数匹飛びまわっていたので、庭ほうきを使ってそのうちの一匹を捕えてみたところ、それは蝶ではなく、蛾だったのです。
その後、その蛾のことはすっかり忘れていたところ、7月になって、庭に植えてある紅葉の木の葉に毛虫が付いているのを見つけ、業者に害虫駆除をお願いしたのです。その際、妻が時々庭に飛んで来る黄色の色をした昆虫のことを話したところ、それがヒトツバ(イヌマキ)の葉を食い荒らす「キオビエダシャク」という蛾の成虫だったのです。業者の人の話では、今、宮崎市内ではこの「キオビエダシャク」の幼虫が大繁殖し、業者はその駆除に追われているということでした。そういえば、5月ごろの回覧版に「ヒトツバの葉を食い荒らす蛾の幼虫が異常発生」という記事が掲載されていたことを思い出し、どんな蛾なのか調べてみることにしたのです。
それによると、この「キオビエダシャク」という蛾は、もともと九州本土には土着していなかったのですが、西南諸島から偶然侵入してきたもので、今から10年前の平成12年の夏、鹿児島県の頴娃町で初めて姿を発見されたそうです。鹿児島県では庭木として、ヒトツバ(イヌマキ)を植えるところが多く、この「キオビエダシャク」の幼虫が大繁殖したため、たちまちヒトツバが丸坊主になったということです。しかしながら、この「キオビエダシャク」は、もともと南方の昆虫ですから、九州本土では越冬は出来ないものと思われていたところ、地球温暖化の影響なのか、鹿児島県内でこの「キオビエダシャク」のさなぎと幼虫が見つかり、越冬できることが分かり、その後、平成17年には、宮崎県内の串間市、そして隣の南郷町でも、この「キオビエダシャク」の成虫が飛び回る姿が確認されたということです。それから5年経過し、今年ごろから、都城市内や宮崎市内で乱舞する姿がみられているようですから、段々宮崎県内を北上しているものと思われます。
インターネットで調べてみると、「キオビエダシャク」の幼虫はシャクトリムシで、頭、尻、及び側面がオレンジ色で、他の部分は灰色と黒色のまだら色をしているということです。成虫は、全体的に濃い紺色で、羽に黄色の帯がある美しい蛾(ガ)で、昼間飛びまわっているということです。
この「キオビエダシャク」の駆除ですが、幼虫の発生が少ない場合は、木を揺すって落ちた虫を捕殺し、木の根元の土中に茶褐色で紡錘型をした蛹がいる場合は、掘り出して捕殺するほか、成虫は、捕虫網で捕獲したり、薬剤散布が効果的ということです。当校の吉原指導員の話によると、ディプテレックスという乳剤が最も効果的だということですから、ヒトツバの葉に幼虫を発見したら、早速薬剤散布する予定にしております。



